改訂新版 世界大百科事典 「レッドフィールド」の意味・わかりやすい解説
レッドフィールド
Robert Redfield
生没年:1897-1958
アメリカの人類学者。シカゴ学派のコミュニティ研究を代表する。1923年にメキシコを初めて訪れ,革命直後の文化の復興に感動し,人類学を専攻。26年ナワ族の村テポストランを調査して〈小規模共同体〉や〈民俗文化〉の概念を提出し,アメリカ人類学界の視野を未開部族研究からコミュニティ研究に拡大した。のち16年間にわたってユカタン半島やグアテマラで調査を続け,〈民俗-都鄙連続folk-urban continuum〉など社会・文化変容に関する概念を提出するとともに,この時期のマヤについて貴重な民族誌を残した。27年以降シカゴ大学人類学部の指導者としてコミュニティ研究を推進した。M.シンガーとインドの研究にも乗り出し〈小伝統〉〈大伝統〉の概念を提出した。代表的著作として《テポストラン》(1930),《チャン・コム》(1934。共著),《ユカタンの民俗文化》(1941)等がある。
執筆者:黒田 悦子
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報