レーガー

百科事典マイペディア 「レーガー」の意味・わかりやすい解説

レーガー

ドイツの作曲家,オルガン奏者,ピアノ奏者。オルガンを修めたのち,1890年音楽学者H.リーマンに師事し,J.S.バッハブラームスの厳格な音楽形式を学ぶ。ウィースバーデンミュンヘン教鞭(きょうべん)をとる一方オルガン曲や室内楽曲で名を高め,1907年ライプチヒ音楽院作曲科教授に就任。1911年からはマイニンゲンの宮廷楽長も兼ね,1913年音楽総監督。イェーナとベルリン両大学の名誉職も兼ねるなど多忙な歳月を送ったのち,心臓発作のため43歳で死去した。師リーマンの理論を基礎に,J.S.バッハ,ベートーベン,ブラームスの継承を志す一方でR.ワーグナーの和声法からも多くを汲み,対位法的な形式と流動的和声を追究オペラと交響曲を除くほとんどの分野に膨大な数の作品を残した。当時主流をなした標題音楽的傾向に対し,室内楽やオルガン曲などを創作の中心においた点で特異な位置を占める。変奏技法にもすぐれ,ピアノ曲《バッハの主題による変奏曲フーガ》(1904年),管弦楽曲《モーツァルトの主題による変奏曲とフーガ》(1914年)などは広く知られる。ほか合唱曲《詩篇100番》(1908年−1909年),管弦楽曲《ベックリンによる4つの交響詩》(1913年)など。室内楽曲も近年,演奏される機会が徐々に増えている。→シュールホフ
→関連項目オルガンブッシュワインベルガー

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改訂新版 世界大百科事典 「レーガー」の意味・わかりやすい解説

レーガー
Max Reger
生没年:1873-1916

ドイツの作曲家。1890年より5年間,ゾンダースハウゼンとウィースバーデンで音楽学者H.リーマンに師事し,J.S.バッハ,ブラームスの作品を中心に厳格な形式を学ぶ。1907年ライプチヒ大学で作曲の教授および音楽監督に就任,11-14年ザクセンのマイニンゲン公の宮廷楽長を務めた。彼とほぼ同時代のマーラーやR.シュトラウスが標題音楽へ向かったのに対して,彼は絶対音楽的な立場を貫いている。書法の面では,バロック時代構成原理を用いると同時に,R.ワーグナーの影響を強く受け,半音階を豊かに用いた対位法様式に立っている。主要作品に,ピアノ曲《バッハの主題による変奏曲とフーガ》(作品81。1904),《バイオリン協奏曲》(作品101。1908),管弦楽曲《モーツァルトの主題による変奏曲とフーガ》(作品132。1914)などがある。
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