インドネシア中部,小スンダ列島に属する島で,東にスンバワ島,西にバリ島がある。ほぼ方形をなし,面積4990km2,人口約150万。北半はバリ島からの火山脈が延び,最高峰のリンジャニ(3726m)をはじめナンギ(2330m)などの火山がそびえる。その南麓は広い平野となり,また島の南部には石灰岩山地(最高点716m)が現れ,地形的にはバリ島と類似した構造を示す。気候的にはバリより乾燥度が強く,所々にサバンナ景観をみる。住民はスンバワ島のそれと類似したササク族が大部分を占め,イスラム化されているが,西部地方は近世にバリ島王朝に支配され,約10万のバリ族の移住をみた。19世紀末にはオランダ軍の遠征をうけ,征服された。したがって中心都市マタラムを中心とする西部はバリのヒンドゥー文化圏に,東部はイスラム文化圏に属し,住民の居住様式もそれぞれ異なっている。島の開発度はバリに及ばず,水田は西部を主とし,他はトウモロコシ,藍,コーヒーを産する。西岸のアンペナンはマタラムの外港である。
執筆者:別技 篤彦
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…中部ジャワおよび東ジャワにおける伝統的住居は一般に,その屋根形状によってジョグロ,リマサン,シノム,カンポンの四つに類型化される。
[ヒンドゥー文化の影響]
インドネシアのバリ島およびロンボク島の一部は唯一ヒンドゥー文化を色濃く保持しているので知られ,住居・集落にもバリ・ヒンドゥーの原理が生きていてきわめて特異である。ヒンドゥー教の影響の有無によってバリ・アガ,バリ・マジャパイトの二つに住居形式を分けるのが一般的である。…
※「ロンボク島」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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