日本大百科全書(ニッポニカ) 「ローゼンブッシュ」の意味・わかりやすい解説
ローゼンブッシュ
ろーぜんぶっしゅ
Karl Harry Ferdinand Rosenbusch
(1836―1914)
ドイツの岩石学者。ハイデルベルク大学教授。イギリスのソルビーが創始した偏光顕微鏡による岩石薄片の記載的研究を集大成した。1873年に『重要造岩鉱物の顕微鏡下における諸性質』、1877年には大著『塊状岩石の顕微鏡岩石学』を著した。これらはツィルケルFerdinand Zirkel(1838―1912)の著書とともに、19世紀における岩石記載学の集大成をなすものである。また、変成岩研究の分野では動力変成作用の概念の提唱、シュタイゲル片岩の接触変成作用の研究などの業績がある。とくに後者は、変成作用に際して岩石の化学的組成は事実上変化しないことを明らかにしたもので、近代的変成論の基礎の一つとなった。
[橋本光男]