ワイラケイ沸石(読み)わいらけいふっせき(英語表記)wairakite

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ワイラケイ沸石」の意味・わかりやすい解説

ワイラケイ沸石
わいらけいふっせき
wairakite

沸石の一種で、結晶は偽八面体あるいは偏菱(へんりょう)二十四面体に近い形で産するほか、塊状のことも多い。ワイラケ沸石ワイラカイトともいう。外観は方沸石に似ているため、肉眼での区別は困難である。安山岩デイサイトなどのすきまに、菱沸石、束(そく)沸石、濁沸石石英方解石などと産する。また凝灰質の堆積(たいせき)岩が熱水変質や低変成作用を受けた場合にも容易に生成される。日本、ニュージーランド、アメリカ合衆国などの地熱地域に産地が多い。日本では、宮城県鬼首(おにこうべ)地熱地域、静岡県伊豆半島、神奈川県丹沢山地などでよくみられる。ニュージーランドのワイラケイ地熱地域Wairakei geothermal areaが原産地であることから命名された。

松原 聰]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android