ワルトブルク(読み)わるとぶるく(英語表記)Walther von Wartburg

改訂新版 世界大百科事典 「ワルトブルク」の意味・わかりやすい解説

ワルトブルク
Wartburg

ドイツ中部,アイゼナハ南西小山の上にある城。設立は,伝説では11世紀のルートウィヒ跳躍公Ludwig der Springerにさかのぼる。チューリンゲンへの最も重要な進入路の一つをおさえ,13世紀にはチューリンゲン方伯の居城となった。ワルトブルクの歌合戦舞台。その後マイセン辺境伯ウェッティン家Wettinerの領有に移り,15~18世紀はザクセン選帝侯領に属した。1521~22年,ルターがここにかくまわれ,新約聖書を独訳した。1714年以後,ザクセン・ワイマール領。宗教改革300周年の1817年に,学生団体〈ブルシェンシャフト〉の祝祭(ワルトブルク祭Wartburgfest)が,この古城で開かれた。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ワルトブルク」の意味・わかりやすい解説

ワルトブルク
Wartburg, Walther von

[生]1888.5.18. ゾロトゥルン,リートホルツ
[没]1971.8.15. バーゼル
スイスの言語学者。バーゼル大学教授。フランス語を中心とするロマンス語派の研究に大きな業績を残し,また理論家としては,ソシュールによって峻別された共時言語学通時言語学との新たな統合を試みたことで知られる。主著『フランス語語源辞典』 Französisches etymologisches Wörterbuch (1922~68) ,『フランス語の進化構造』 Evolution et structure de la langue française (34) ,『言語学の問題と方法』 Einführung in die Problematik und Methodik der Sprachwissenschaft (43) など。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ワルトブルク」の意味・わかりやすい解説

ワルトブルク
わるとぶるく
Walther von Wartburg
(1888―1971)

スイスの言語学者、ロマンス語学者。バーゼル大学教授。構造言語学が方法論上分けた共時的・記述的方法と通時的・歴史的方法とを統合してロマンス語の研究を行い、さらに方言学にも多大の貢献をした。文化的背景をも重視してフランス語の歴史を記述した『フランス語の進化と構造』(1934)、フランス語を中心にロマンス語を対象として具体的に言語研究法を考察した『言語学の問題と方法』(1943)などの著書に加えて、『フランス語語源大辞典』Französisches etymologisches Wörterbuch(1922~2002)を編纂(へんさん)、指導した。

[泉 邦寿 2018年8月21日]

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百科事典マイペディア 「ワルトブルク」の意味・わかりやすい解説

ワルトブルク

ドイツ中央部,チューリンゲン地方,アイゼナハ南西の山頂にある城。11世紀に建設,19世紀と第2次大戦後に改修された。中世ミンネゼンガーの歌合戦の舞台として知られ,1521年―1522年ルターがここで新約聖書のドイツ語訳を完成。1817年には,ドイツ統一を求める大学生組織〈ブルシェンシャフト〉の大集会が開催された。1999年世界文化遺産に登録。

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旺文社世界史事典 三訂版 「ワルトブルク」の解説

ワルトブルク
Wartburg

東ドイツ南西部,チューリンゲンにある城
宗教改革のとき,ルターはザクセン公フリードリヒの保護でここにかくまわれ,『新約聖書』をドイツ語訳した。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「ワルトブルク」の解説

ワルトブルク

ヴァルトブルク

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世界大百科事典(旧版)内のワルトブルクの言及

【アイゼナハ】より

…1180年ごろ建市。市外にそびえるワルトブルク城で1521‐22年宗教改革家ルターが聖書をドイツ語に翻訳した。また1817年,500名の学生がこの城に集まりドイツ統一ののろしをあげた(ブルシェンシャフト)。…

※「ワルトブルク」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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