日本大百科全書(ニッポニカ) 「三加和」の意味・わかりやすい解説
三加和
みかわ
熊本県北部、玉名(たまな)郡にあった旧町名(三加和町(まち))。現在は和水町(なごみまち)の北部を占める。旧三加和町は1955年(昭和30)春富、緑、神尾の3村が合併して誕生。1968年町制施行。2006年(平成18)菊水町(きくすいまち)と合併し和水町となった。旧三加和町の主幹産業である米麦農業は、北端の筑肥(ちくひ)山地の山奥に源を発し、南端の菊池(きくち)川に流入している十町(じっちょう)川・和仁(わに)川の本・支流沿いに階段状にみられる耕地に展開。また昭和30年代後半から本格化したミカン栽培地は、北半域の諸峰の頂までに広がっているが、米同様、生産過剰に悩んでいる。米の減反政策の強化は、ナス、メロン、イチゴ、スイカ、クリなどの導入を盛んにしている。過疎化の歯止め策として、輸送機械・ゴム製品などの工場誘致に成功してはいるものの、その労働力吸収は女子雇用に偏りがちである。南端付近を東西に国道443号が走り、近くに三加和温泉センターがある。
[山口守人]