和水(読み)なごみ

改訂新版 世界大百科事典 「和水」の意味・わかりやすい解説

和水[町] (なごみ)

熊本県北西部,玉名郡の町。2006年3月菊水(きくすい)町と三加和(みかわ)町が合体して成立した。人口1万1247(2010)。

和水町南部の旧町。玉名郡所属。人口6527(2005)。東は山鹿市,南西は玉名市に接する。北西境を流れる菊池川沿いに沖積地が開けるほかは,丘陵が広く占める。中心の江田は菊池川が玉名平野に出る谷口にあり,古くから交通の要地として発達,古代には南関(なんかん)と植木を結ぶ街道の宿駅が置かれた。農業を主産業とし,米作畜産,スイカなどの野菜栽培が盛ん。九州自動車道菊水インターチェンジがあり,電気機器の工場が立地する。菊池川沿いの台地上に日本最古の漢字使用例とされる大刀を出土した江田船山古墳(史)や江田穴観音古墳(史)があり,旧境家住宅(重要文化財)などの民家を集めた民家村もある。

和水町北部の旧町。玉名郡所属。人口5373(2005)。北は福岡県と接する。町域全体が筑肥山地に属する丘陵性山地からなり,東寄りを十町(じつちよう)川,西寄りを和仁川が南流して南部で合流し,南端で菊池川に合流する。産業の中心は農業で,米作,ミカン,野菜の栽培や畜産などが行われる。江戸時代は藩の御用紙をすく和紙産地であった。竹林が多くタケノコ特産。電装品,繊維などの工場が立地している。室町時代初期の様式をもつ木造薬師如来像を蔵する西光寺,戦国時代の田中城址や坂本城址,西南戦争の戦没者を葬った下岩官軍墓地などがある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「和水」の意味・わかりやすい解説

和水(町)
なごみ

熊本県北部、玉名郡(たまなぐん)にある町。2006年(平成18)玉名郡菊水町(きくすいまち)、三加和町(みかわまち)が合併して成立。町名は一般公募によるもので、旧町名から1字ずつ採用。町域は南北に細長く、大半が丘陵・台地で、北は福岡県と接する。南部を九州自動車道が走り、菊水インターが設けられている。東方から流れこんだ菊池(きくち)川は、北部山地に発する十町(じっちょう)川・和仁(わに)川の水を集めながら、町のほぼ中央で大きく湾曲し、南へと流れる。同川と支流の一帯に水田が広がるほか、丘陵などでハウスによる野菜・果物栽培が盛ん。電器、精密機械などの企業誘致も積極的に行っている。75文字を銀象嵌(ぞうがん)した環頭大刀が出土したことで著名な江田船山古墳(えたふなやまこふん)があり、近くの虚空蔵塚古墳(こくうぞうづかこふん)・塚坊主古墳(つかぼうずこふん)と合わせて国指定史跡。なお、江田船山古墳出土遺物の大半は東京国立博物館に収蔵され、1965年(昭和40)一括して国宝に指定された。ほかに、巨石をふんだんに用いた江田穴観音古墳(えたあなかんのんこふん)、土地の国人領主和仁氏の居城だった戦国末期の田中城跡、豊前(ぶぜん)街道の面影をのこす「腹切坂」などが国の史跡に指定される。江田船山古墳近くの肥後(ひご)民家村には、国指定重要文化財の旧境家住宅ほか、多くの古民家が移築・保存され、体験可能な各種工房、簡易宿泊施設なども整備。同じく江田船山古墳近くに、トンカラリンとよばれる隧道(すいどう)型遺跡があり、築造年代や用途などについて議論されている。面積98.78平方キロメートル、人口9342(2020)。

[編集部]


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百科事典マイペディア 「和水」の意味・わかりやすい解説

和水[町]【なごみ】

熊本県北西部に位置する玉名郡の町。町北部を福岡県に接する。2006年3月,玉名郡菊水町,三加和町が合併し町制。九州自動車道,国道443号線が通じる。98.78km2。1万1247人(2010)。

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