三尊(読み)サンゾン

精選版 日本国語大辞典 「三尊」の意味・読み・例文・類語

さん‐ぞん【三尊】

  1. 〘 名詞 〙
  2. さんそん(三尊)
  3. 仏語。仏と、仏の説いた法と、法をひろめる僧。
    1. [初出の実例]「曲躬合掌、焼香散花、於大極清冷両殿、雩乎三尊之霊」(出典:性霊集‐六(835頃)於大極紫震両殿請百僧雩願文)
    2. [その他の文献]〔四十二章経〕
  4. 仏語。寺院などでまつる中心となる仏で、本尊とその左右にひかえる二脇侍の菩薩の三体のこと。阿彌陀如来観音・勢至、釈迦如来文殊普賢薬師如来と日光・月光など。三尊仏。
    1. [初出の実例]「仏者生前之御願。以三尊賓朋」(出典:本朝文粋(1060頃)一四・一条院四十九日御願文〈大江匡衡〉)
    2. 「光堂は三代の棺を納め、三尊の仏を安置す」(出典:俳諧・奥の細道(1693‐94頃)平泉)
  5. 釈迦如来、薬師如来、阿彌陀如来など、三体の尊い仏をいう。
    1. [初出の実例]「其の光の中に釈迦薬師彌陀の三尊、光を並べて座し給ふ」(出典:太平記(14C後)一八)
  6. さんぞんらいこう(三尊来迎)」の略。

さん‐そん【三尊】

  1. 〘 名詞 〙 人としてうやまい仕えなければならない三種の尊い人。父・師・主君のこと。三成。〔新撰字鏡(898‐901頃)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の三尊の言及

【一光三尊】より

…3体の仏像が一つの大きな光背を負う図像をいう。一光とは一つの光背,三尊とは如来を中尊として,その左右に2菩薩を脇侍とする三体一具の仏像のことである。その光背の形は舟形,あるいは1枚の蓮弁を大きくかたどったような形をしており,挙身光ともいう。…

※「三尊」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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