三角帽子(読み)サンカクボウシ

デジタル大辞泉 「三角帽子」の意味・読み・例文・類語

さんかくぼうし【三角帽子】

原題、〈スペインEl sombrero de tres picosアラルコン短編小説。1874年刊。アンダルシア地方の伝承歌謡「市長水車小屋おかみ」を下敷きにした作品。1919年、ファリャがこの小説着想を得てバレエ組曲を作曲、同年バレエ=リュスが1幕のバレエ作品として上演

さんかく‐ぼうし【三角帽子】

長めの円錐形帽子
女性労働の際にかぶるもの。四角な布を斜めに折り、三角にしたもの。風呂敷ぼっち。
[補説]書名別項。→三角帽子

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「三角帽子」の意味・読み・例文・類語

さんかく‐ぼうし【三角帽子】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. さきのとがった長めの帽子。三角帽
      1. [初出の実例]「三角帽子をかぶって肩を組んだ酔っぱらいと」(出典:父の詫び状(1978)〈向田邦子〉チーコとグランデ)
    2. 女性の労働用のかぶり物。四角い布をななめに折って三角としたもの。
  2. [ 2 ] ( 原題[スペイン語] El sombrero de tres picos ) バレエ音楽。一幕二部、八曲。ファリャ作曲。一九一九年ロンドン初演。アラルコンの同名の小説に基づく台本に作曲された。三つの舞曲からなる管弦楽組曲がある。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「三角帽子」の意味・わかりやすい解説

三角帽子【さんかくぼうし】

ファリャ作曲のバレエ音楽原作はスペインのアラルコンの同名の小説。振付マシン,装置・衣装ピカソが担当し,1919年〈バレエ・リュッス〉によりロンドンで初演された。粉屋の妻にほれた三角帽子の市長がもの笑いになるという話。フラメンコが入るなどスペイン色が濃い。→アンセルメ

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

デジタル大辞泉プラス 「三角帽子」の解説

三角帽子〔バレエ:レオニード・マシーン〕

ロシア出身の振付家レオニード・マシーンによる全1幕のバレエ(1919)。原題《El sombrero de tres picos》。ペドロ・アントニオ・デ・アラルコンによる同名の小説を題材とする。音楽はマヌエル・デ・ファリャ。

三角帽子〔バレエ:マヌエル・デ・ファリャ〕

スペインの作曲家マヌエル・デ・ファリャのバレエ組曲(1919)。原題《El sombrero de tres picos》。アンダルシアの民話を元にしたペドロ・アントニオ・デ・アラルコンの同名の短編小説に基づく。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

世界大百科事典(旧版)内の三角帽子の言及

【アラルコン】より

…《アフリカ戦争従軍記》(1860)や《マドリードからナポリへ》(1861)の紀行物を発表し,ロマン主義と決別。代表作《三角帽子》(1874)は《市長と水車小屋のおかみ》という古いロマンセ(伝承歌謡)にヒントを得たもので,気品と躍動感にあふれ,ロマンセを文学に高めた傑作である。木下順二の《赤い陣羽織》はこの作品を翻案したもの。…

【バレエ音楽】より

…ストラビンスキーの《火の鳥》(1910)と《ペトルーシカ》(1911)と《春の祭典》(1913),J.M.ラベルの《ダフニスとクロエ》(1912),ドビュッシーの《遊戯》(1912)などである。一方,同じ時期に発表されたファリャの《恋は魔術師》(1915)と《三角帽子》(1919)は,民族的色彩の濃いバレエ音楽として知られる。さらに1930年代以降にもボーン・ウィリアムズの《ヨブ》(1930),プロコフィエフの《ロミオとジュリエット》(1936)と《シンデレラ》(1944)などがあり,バレエ音楽は20世紀音楽の主要なジャンルとして定着するにいたった。…

【ファリャ】より

…同地でドビュッシー,デュカース,ラベルらと交遊,近代的な美的感覚に根ざす高度な作曲技法を身につけた。 帰国後,ピアノと管弦楽のための《スペインの庭の夜》(1915),歌曲《七つのスペイン民謡》(1914),バレエ曲《恋は魔術師》(1915),同《三角帽子》(1919)などの傑作を発表,スペイン国内のみならず世界的に名声を挙げた。ことに民族的素材の洗練された扱い方と,色彩的な管弦楽法は卓越しており,彼によって初めてスペインは世界に誇る演奏会用管弦楽曲をもったといえる。…

【マシン】より

…最初に交響曲のバレエ化を手がけた振付師の一人でもある。代表作にロッシーニの音楽による《奇妙な店》(1919),ファリャ作曲の《三角帽子》(1919),ベルリオーズ作曲の《幻想交響曲》(1936),オッフェンバックの音楽による《パリの賑い(喜び)》(1938)などがあり,映画《赤い靴》(1948),《ホフマン物語》(1951),《ナポリの饗宴》(1954)の振付を行い,みずから出演している。自伝(1960)がある。…

※「三角帽子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android