上国石(読み)じょうこくせき(その他表記)jokokuite

最新 地学事典 「上国石」の解説

じょうこくせき
上国石

jokokuite

化学組成MnSO・5H2Oの鉱物。胆ばん(CuSO・5H2O)のMn置換体三斜晶系,空間群,格子定数a0.637nm, b1.077, c0.613, α98°46′, β109°58′, γ77°50′。肉眼では淡紅色,ガラス光沢,条痕白色。劈開不明瞭。硬度2.5。比重2.03(実測),2.094(計算)。鏡下では無色,二軸性負,2Vx70°~80°,分散弱。屈折率α1.498, β1.510, γ1.517。菱マンガン鉱を主とする浅熱水性鉱脈鉱床中の坑道側面に鍾乳石状に産出し,ズミク石(MnSO・H2O),アイレス石(MnSO・4H2O),およびマラー石(MnSO・7H2O)などと共生。南部松夫ほか(1977)によって,北海道檜山郡上ノ国町上国鉱山から発見。上国鉱山にちなんで命名

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「上国石」の意味・わかりやすい解説

上国石
じょうこくいし
jokokuite

硫酸塩鉱物の一つ。1978年(昭和53)南部松夫(なんぶまつお)(1917―2009)らによって、北海道上ノ国(かみのくに)町上国(じょうこく)鉱山(閉山)から発見記載された新鉱物。胆礬(たんばん)の二価マンガン(Mn2+)置換体にあたる。上国鉱山は菱(りょう)マンガン鉱を脈石鉱物とする熱水性金・銀・亜鉛・鉛鉱脈鉱床であるが、その菱マンガン鉱を鉱石鉱物として採掘したマンガン鉱床でもある。硫化鉄鉱物の分解によって生じた硫酸イオン[SO4]2-と、これが菱マンガン鉱に作用して生成されたMn2+が結合するわけであるが、この結合が空気中で行われてもMn2+は酸化されない。これは弱硫酸酸性条件では、Mn2+の周囲にH2Oが配位し、酸化を妨げているからで、同様の現象は同構造のシデロティルsiderotil(Fe[SO4]・5H2O)や高位水化物の緑礬(りょくばん)などについてもみられる。鉱山の坑道中に鍾乳(しょうにゅう)石様の集合をなして産し、脱水するとアイレス石ilesite(Mn[SO4]・4H2O)の帯紅白色粉末となる。ほかに石膏(せっこう)、緑礬など硫酸第一鉄鉱物とも共存する。原産地にちなんで命名された。

加藤 昭 2017年5月19日]


上国石(データノート)
じょうこくいしでーたのーと

上国石
 英名    jokokuite
 化学式   Mn[SO4]・5H2O
 少量成分  Fe2+,Zn
 結晶系   三斜
 硬度    2.5
 比重    2.09
 色     淡桃
 光沢    ガラス
 条痕    白
 劈開    無
       (「劈開」の項目を参照)

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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