緑礬(読み)リョクバン(その他表記)melanterite

精選版 日本国語大辞典 「緑礬」の意味・読み・例文・類語

りょく‐ばん【緑礬】

  1. 〘 名詞 〙 硫酸第一鉄の七水塩の俗称。淡緑色結晶であるところからの名。ろくばん。ろうは。〔遠西医方名物考(1822)〕

ろう‐は【緑礬】

  1. 〘 名詞 〙 緑礬(りょくばん)のこと。〔書言字考節用集(1717)〕

ろく‐ばん【緑礬】

  1. 〘 名詞 〙りょくばん(緑礬)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「緑礬」の意味・わかりやすい解説

緑礬
りょくばん
melanterite

もっとも普通にみられる含水硫酸鉄鉱物の一つ。「ろうは」ともいう。おもに黄鉄鉱酸化分解によって生じ、水に可溶。溶解しない限り酸化されにくい。多くは粒状あるいは粉末状。おもに硫化鉄鉱物からなる鉱石や、これを含む堆積(たいせき)岩などが空気に触れると発生し始める。そのなかには、原鉱物の結晶あるいはその集合内に含まれていた硫酸第一鉄の溶液から生成されるものもある。量は多くないが日本各地に産地がある。水溶液タンニンで黒化するが、英名ギリシア語で金属を原料とした黒色染料意味する語に由来する。

加藤 昭]


緑礬(データノート)
りょくばんでーたのーと

緑礬
 英名    melanterite
 化学式   Fe2+[SO4]・7H2O
 少量成分  Cu,Zn,Mg
 結晶系   単斜
 硬度    2
 比重    1.90
 色     淡青緑
 光沢    ガラス
 条痕    白
 劈開    一方向に完全
       (「劈開」の項目を参照)
 その他   水に可溶

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最新 地学事典 「緑礬」の解説

りょくばん
緑礬

melanterite

FeSO4・7H2O 単斜晶系,空間群P21/c, 格子定数a1.4077nm, b0.6509, c1.1054, β105°36′,単位格子中4分子含む。短柱状~厚板状もしくは八面体結晶,ふつうは微細な粒ないし繊維状結晶が鍾乳状集合。無~緑~青色。空気にさらされると黄色味が強くなる。半透明,ガラス~絹糸光沢,空気中でしだいに不透明となる。水に可溶。劈開{001}に完全,{110}に明瞭。硬度2,比重1.90。薄片では無~淡緑色,屈折率α1.471, β1.478, γ1.486, 2V(+)85°,光分散rv弱。FeはMn(mallardite),Co(bieberite),Cu(boothite),Zn(zinc-melanterite)に置換,同構造の緑ばんグループを形成。Feの一部がCuに置換されたものが銅緑ばん,Feの一部がMgに置換されたものがキロバイト(kirovite)という変種名で呼ばれる。黄鉄鉱や白鉄鉱など主に鉄の硫化物の分解によって常温・常圧下で簡単に生成。melanteriteの名称は,銅精錬の副産物として回収され染料として使われ,ギリシア語の「黒い金属質染料」という意味に由来。

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世界大百科事典(旧版)内の緑礬の言及

【硫酸鉄】より

…無水和物および1,4,5,7水和物が得られている。7水和物は鉄(II)塩中最も重要な化合物で,緑礬(りよくばん∥ろうは)と呼ばれ,すでに13世紀にマグヌスA.Magnusによって記載されている。無水和物は水和物を水素気流中で300℃に加熱すると得られる。…

【硫酸鉄】より

…無水和物および1,4,5,7水和物が得られている。7水和物は鉄(II)塩中最も重要な化合物で,緑礬(りよくばん∥ろうは)と呼ばれ,すでに13世紀にマグヌスA.Magnusによって記載されている。無水和物は水和物を水素気流中で300℃に加熱すると得られる。…

※「緑礬」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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