中乗(読み)チュウノリ

デジタル大辞泉 「中乗」の意味・読み・例文・類語

ちゅう‐のり【中乗】

謡曲リズムの型の一。2音節に1拍をあてるもので、切れのよい躍動的な効果をもつ。修羅物鬼畜物などで戦闘苦患くげんのさまをあらわす場面などに用いる。修羅のり。→大乗おおのり平乗ひらのり
[補説]ふつう「中ノリ」と書く。

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精選版 日本国語大辞典 「中乗」の意味・読み・例文・類語

なか‐のり【中乗】

〘名〙
① 乗り物の中央に乗ること。また、その人。
義経記(室町中か)七「中のりに乗ったる男、弁慶をつくづくと見て」
② 三人乗りの馬の鞍(くら)で中央に乗ること。また、その人。→三宝荒神
※俳諧・毛吹草(1638)六「中乗は馬のこのまん春野かな〈重供〉」
③ 筏(いかだ)の中央に乗る船頭

ちゅう‐のり【中乗】

〘名〙 謡曲の拍子の一つ。八八調八七調の一句八拍子をあてて、一拍に二字分ずつうたう急調子の謡(うたい)。「頼政(よりまさ)」「田村」など修羅物(しゅらもの)キリで戦闘や苦しみを示す所や、「綾鼓(あやのつづみ)」「鉄輪(かなわ)」などで怨霊相手を責める所に用いる。修羅のり。

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