日本大百科全書(ニッポニカ) 「中伊豆」の意味・わかりやすい解説
中伊豆
なかいず
静岡県南東部、田方郡(たがたぐん)にあった旧町名(中伊豆町(ちょう))。現在は伊豆(いず)市の東部を占める一地区。1958年(昭和33)上大見(かみおおみ)、中大見、下大見の3村が合併して町制改称。2004年(平成16)修善寺(しゅぜんじ)、土肥(とい)、天城湯ヶ島(あまぎゆがしま)の3町と合併、市制施行して伊豆市となる。旧中伊豆町は、伊豆半島のほぼ中央に位置する農林業の町で、南は天城(あまぎ)山、北は高原地帯で、集落と農地は狩野(かの)川支流大見川の狭小な流域にある。伊豆スカイラインが南北に、主要地方道の伊東修善寺線が東西に通じ、伊東市との間には中伊豆バイパスもある。区域の83%を山林が占める。林業を主とし、シイタケ・ワサビ栽培が盛ん。ワサビ栽培面積は約31ヘクタールで日本有数の栽培面積をもつ。遠笠(とおがさ)山、丸野山周辺は雄大な景観に恵まれ、避暑に適する。国指定史跡に縄文中・後期の上白岩遺跡(かみしらいわいせき)があり、竪穴(たてあな)住居跡、環状列石が発見された。
[川崎文昭]