修善寺(読み)シュゼンジ

デジタル大辞泉 「修善寺」の意味・読み・例文・類語

しゅぜんじ【修善寺】

静岡県伊豆市地名桂川(修善寺川)の渓谷に沿う温泉町修禅寺や、空海が掘ったという独鈷とっこの湯がある。
修善寺紙」の略。

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精選版 日本国語大辞典 「修善寺」の意味・読み・例文・類語

しゅぜんじ【修善寺】

  1. [ 1 ] 静岡県伊豆市の地名。狩野川の支流、桂川の渓谷に温泉が湧出する温泉町。修禅寺がある。
  2. [ 2 ] 〘 名詞 〙しゅぜんじがみ(修善寺紙)
    1. [初出の実例]「彌次郎修善寺一束、椎名納豆献之」(出典:実隆公記‐天文三年(1534)正月一二日)

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日本歴史地名大系 「修善寺」の解説

修善寺
しゆぜんじ

[現在地名]厳原町大手橋

丸山まるやまの南にある。円盛山と号し、浄土宗。本尊は阿弥陀如来。京都知恩院末の尼寺で、白雉三年(六五二)百済の尼僧法明が来島して藤原鎌足の病をいやすため維摩経を誦したことに始まるというが(浄土宗寺院由緒書・津島紀事)、これは「維摩会縁起」などにみえる法明尼に関連させた付会であろう。また古くは九品くほん院という尼寺であったが、天正期(一五七三―九二)僧が就職するようになり、寺号を改めたとする所伝がある。一説では正安年間(一二九九―一三〇二)の開創で、法妙尼の開基とし、後伏見天皇の病を祈祷して平癒に導いたという。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「修善寺」の意味・わかりやすい解説

修善寺
しゅぜんじ

静岡県東部、田方郡(たがたぐん)にあった旧町名(修善寺町(ちょう))。現在は伊豆(いず)市の北部を占める一地区。1924年(大正13)町制施行。1956年(昭和31)下狩野(しもかの)村を、1959年北狩野村の一部を編入。2004年(平成16)土肥(とい)、天城湯ヶ島(あまぎゆがしま)、中伊豆(なかいず)の3町と合併、市制施行して伊豆市となる。旧修善寺町は、伊豆半島北部に位置し、伊豆の代表的な温泉町。伊豆箱根鉄道、国道136号、修善寺有料道路、西伊豆スカイラインなどが通じる。名称は古代以来の古刹(こさつ)修禅寺にちなむ。町は巣雲(すくも)、達磨(だるま)山系に囲まれ、全面積の70%が山林原野で、中央を狩野川が北流し、街と耕地は狩野川とその支流桂(かつら)川の沿岸に発達している。稲作のほか酪農、養豚、養鶏、ミカン・シイタケ栽培を主とする。観光と結び付いた商業が中心で、土産(みやげ)物販売、飲食業を主とする。区域の一部は富士箱根伊豆国立公園に含まれ、北伊豆の玄関として東、南、西へと天城(あまぎ)山、達磨山を越えて南伊豆の海岸線へ向かう交通路が集中する。近年では、修善寺ニュータウン、富士見平など、宅地や別荘地開発が進んでいる。北伊豆屈指の大温泉である修善寺温泉、鎌倉時代の源範頼(のりより)・頼家(よりいえ)の幽閉の修禅寺、鹿山(しかやま)公園、梅林のある修善寺自然公園、修善寺虹の郷、早霧(さぎり)湖など観光資源に富む。また、修善寺駅から約7キロメートルの高原にある日本サイクルスポーツセンターは一年中にぎわう。

[川崎文昭]

『『修善寺史料集』(1959・修善寺町)』『南雲正朗著『修善寺より――歴史と風土と』(1966・角川書店)』


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「修善寺」の意味・わかりやすい解説

修善寺
しゅぜんじ

静岡県東部,伊豆半島の北部中央にある地区。旧町名。 1924年町制。 1956年下狩野村,1959年北狩野村の一部を編入。 2004年4月,土肥町,天城湯ヶ島町,中伊豆町と合併し伊豆市となる。中央部を狩野川が貫流,中心集落の修善寺はその支流桂川に沿う。9世紀空海の弟子杲隣 (こうりん) の開基と伝えられる修禅寺の門前町として,のちに温泉町として発展。伊豆長岡・天城温泉郷とともに,伊豆半島内陸の温泉地として知られる (→修善寺温泉 ) 。また源範頼源頼家の終焉の地としても有名。西部の山地にゴルフ場,達磨山 (982m) ハイキングコースなどがある。地区の一部は富士箱根伊豆国立公園に属する。国道 136号線が通り,伊豆箱根鉄道駿豆線の終点。

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百科事典マイペディア 「修善寺」の意味・わかりやすい解説

修善寺[町]【しゅぜんじ】

静岡県田方(たがた)郡,伊豆半島北部の旧町。狩野(かの)川の支流桂川沿い,修善寺温泉を中心に発達,伊豆箱根鉄道が通じ,バス交通も便利で,別荘地としても発展している。温泉は単純泉など,30〜82℃。弘法大師の発見したと伝えられる独鈷(とっこ)の湯,修禅寺がある。2004年4月田方郡土肥町,天城湯ヶ島町,中伊豆町と合併し,伊豆市となる。69.40km2。1万6807人(2003)。

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改訂新版 世界大百科事典 「修善寺」の意味・わかりやすい解説

修善寺(旧町) (しゅぜんじ)

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世界大百科事典(旧版)内の修善寺の言及

【修善寺[町]】より

…町の中央を狩野川が北流し,大見川,桂川が中心部で狩野川に合流する。桂川の渓谷沿いにある修善寺温泉(弱食塩泉,単純泉。30~82℃)を中心に発展した温泉町で,伊豆山の走湯(はしりゆ),伊豆長岡の古奈(こな)温泉とともに伊豆三湯と呼ばれた。…

※「修善寺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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