日本大百科全書(ニッポニカ) 「中国横断自動車道」の意味・わかりやすい解説
中国横断自動車道
ちゅうごくおうだんじどうしゃどう
中国地方を南北に横断して、山陽地方と山陰地方を結ぶ高速道路。有料区間の管理は西日本高速道路。(1)兵庫県姫路市から鳥取市に至る姫路鳥取線、(2)岡山市から鳥取県境港(さかいみなと)市に至る岡山米子(よなご)線、(3)広島県尾道(おのみち)市から松江市に至る尾道松江線、(4)広島市から島根県浜田市に至る広島浜田線の4路線がある。総延長422キロメートル、全区間4車線(一部は暫定的に2車線)である。いずれも山陽自動車道、中国縦貫自動車道(中国自動車道)と接続、中国縦貫自動車道とは一部重複利用区間がある。この道路は、地形的に隔てられていた山陽地方と山陰地方の交流を拡大し、中国自動車道、山陽自動車道とともに中国地方の各県を相互に連絡して、その一体化に大きな役割をもつものである。
広島浜田線(広島自動車道・浜田自動車道)は1991年(平成3)全線71キロメートルが開通。2011年(平成23)12月時点で、岡山米子線の岡山市―鳥取県米子市間(岡山自動車道・米子自動車道)107キロメートルが開通している。姫路鳥取線は、たつの市内13キロメートルおよび兵庫県宍粟(しそう)市(山崎ジャンクション)―岡山県美作(みまさか)市(大原インターチェンジ)間、鳥取県智頭(ちず)町(智頭インターチェンジ)―鳥取市(鳥取インターチェンジ)間の計50キロメートルが開通し、尾道松江線は尾道市(尾道ジャンクション)―広島県世羅(せら)町(世羅インターチェンジ)間、島根県雲南(うんなん)市(三刀屋(みとや)木次(きすき)インターチェンジ)―松江市(松江玉造(たまつくり)インターチェンジ)間の計45キロメートルが開通している。世羅町―雲南市間約80キロメートルは、国土交通大臣が整備主体となる新直轄方式で建設される。
[下保 修]