主婦連(読み)しゅふれん

精選版 日本国語大辞典 「主婦連」の意味・読み・例文・類語

しゅふ‐れん【主婦連】

※とむらい師たち(1966)〈野坂昭如〉「葬儀代が高いと主婦連もさわがず、葬儀組合がストやったこともない」

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改訂新版 世界大百科事典 「主婦連」の意味・わかりやすい解説

主婦連 (しゅふれん)

主婦連合会の略称。1948年に開かれた〈もえないマッチを持ちよる会〉を契機にして結成された婦人団体の連合体で,84年現在の加盟団体445。会長は結成以来,奥むめおが務めた(89年より名誉会長)。消費者の権利の確立に取り組み,1951年に米の不足を補うため押し麦を配給ルートにのせるよう運動した際にプラカード代りに使われた大きなごはんしゃもじはその後主婦連のシンボルとなった。発足以来,不良マーガリン,有害色素オーラミン,危険なヘアスプレー,有害なユリア樹脂製食器,ジュースアイスクリームの不当表示など身近な生活のなかにある問題をとりあげ,行政や業界に改善を申し入れ,成功している。その活動の特徴は,(1)日常の生活経験をとおして問題をとりだす,(2)商品テストを行うなど科学的に問題を裏づける,(3)問題を政治と結びつけ政治に反映させていくところにみられる。組織は部活動を基礎にしており,食料,住宅,衣料物価など生活領域と直結した部のほかに,商品研究部,社会教育部などをおき,また,必要に応じてテーマごとの研究会をもつなど課題に柔軟に対応できる態勢をとっている。女性立場から消費者問題をとりあげると同時に,国際婦人年を契機に男女平等の実現を目ざして集まった民間48団体の一つとしても活動し,核兵器廃絶など平和の問題にも取り組んでいる。
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百科事典マイペディア 「主婦連」の意味・わかりやすい解説

主婦連【しゅふれん】

〈主婦連合会〉の略称。1948年,奥むめおらを中心に結成された日本最大の婦人団体の連合体。消費者の声を反映させ,身近な家庭生活の面から社会問題,政治問題,経済問題に取り組み,物価値上げ反対,科学的品質検査に基づく不良商品追放などの運動を展開している。

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知恵蔵 「主婦連」の解説

主婦連

1948年、消費者団体の草分け的な存在として設立。消費生活者の生の声を、政治に反映させることがスローガン。しゃもじを旗印にしたデモは、消費者運動の代名詞だった。独自の「日用品試験室」も備え、科学的データの裏付けを重視する活動を行っている。食品の安全性、環境汚染、物価、情報公開など、幅広く運動テーマを掲げている。加盟団体数は145(2006年8月現在)。

(篠崎悦子 ホームエコノミスト / 2007年)

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世界大百科事典(旧版)内の主婦連の言及

【女性運動】より

…このような戦後の民主化のなかで〈戦後対策婦人委員会〉(1945年8月25日結成。のち日本婦人有権者同盟)などの各種女性団体が組織され,〈主婦連合会〉(1948年結成,主婦連)は,物価引下げ運動を展開した。また平和運動,原水爆禁止運動にはたくさんの女性が参加し,〈母親大会〉(1955発足)はその声の集約となった。…

※「主婦連」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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