久米部(読み)クメベ

デジタル大辞泉 「久米部」の意味・読み・例文・類語

くめ‐べ【久部/来目部】

古代の部の一。朝廷宮門警衛を担当した。

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精選版 日本国語大辞典 「久米部」の意味・読み・例文・類語

くめ‐べ【久米部・来目部】

  1. 〘 名詞 〙 大化前代大伴氏配下にあったと考えられる伴部(ともべ)。久米直(くめのあたい)に統率され、軍事職能を果たしていた。
    1. [初出の実例]「天忍日(おしひ)の命、久米部(クメべ)遠祖、天槵津(あめくしつ)の大来目を師(ひき)ゐて」(出典日本書紀(720)神代下(兼方本訓))

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「久米部」の意味・わかりやすい解説

久米部
くめべ

来目部とも書く。大和(やまと)政権下の軍事的職業部の一つ。中国・四国地方に多く東国には少ない。統率者(伴造(とものみやつこ))は久米直(くめのあたい)であるが、『古事記』以外の古文献はみな大伴連(おおとものむらじ)をさらにその上級の伴造とする。大伴部が西国に遅れて大和政権下に入った東国に多い事実からすれば、衰えつつあった久米直と久米部がある時期同時に大伴氏の配下に置かれたとも考えられる。記紀の久米歌(くめうた)は久米部の出陣戦勝にあたっての歌謡で、のちに宮廷芸能となったものである。

[黛 弘道

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「久米部」の意味・わかりやすい解説

久米部
くめべ

古代の部民の一つ。伴造久米直 (くめのあたえ) に率いられ大伴氏の支配下で軍事や宮廷の警衛を司った部。畝傍山以西の川辺や難波来目邑などに居住し,平常は集団的農耕に従事した。『日本書紀』にある久米歌は,この部が宮廷の儀式に奉仕したときの歌謡である。

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