予定納税(読み)ヨテイノウゼイ

デジタル大辞泉 「予定納税」の意味・読み・例文・類語

よてい‐のうぜい〔‐ナフゼイ〕【予定納税】

その年の所得税額を前年度納税額もとに推定し、前もって分割納付する制度

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精選版 日本国語大辞典 「予定納税」の意味・読み・例文・類語

よてい‐のうぜい‥ナフゼイ【予定納税】

  1. 〘 名詞 〙年度所得税額三分の一相当額ずつを、第一期(その年の七月一日から七月三一日まで)と第二期(その年の一一月一日から一一月三〇日まで)に、あらかじめ分納しておく制度。従来予定申告と合わせて採用されていたが、昭和四〇年(一九六五)から予定納税一本となった。

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改訂新版 世界大百科事典 「予定納税」の意味・わかりやすい解説

予定納税 (よていのうぜい)

所得税を前年分の実績に基づいて推定し,その推定した税額をあらかじめ分割納付する制度(所得税法104条以下)。所得税は1年を課税期間としているので,12月31日を経過しなければ納付すべき税額も決定しない。しかし1年分の税額を一度全額納付するのでは,国の収入が安定せず,また国民も一度に多額の支出を強いられることになる。そこで国の収入の安定化と納税者便宜を考慮して,以下のような予定納税の制度が設けられている。すなわち税務署長は,その年の5月15日の現況によって予定納税基準額計算し,その額が15万円以上の場合にはその予定納税基準額と第1期(7月1日~31日)と第2期(11月1日~30日)にそれぞれ納付すべき予定納税額を6月15日までに納税者に通知する。特別農業所得者については9月15日の現況によって予定納税基準額を計算し,第2期に納付すべき予定納税額を10月15日までに納税者に通知することになっている。予定納税額の計算となる予定納税基準額とは,原則として前年分の課税総所得金額から前年分の源泉徴収税額を控除した金額をいい,一時的な所得も除外される。予定納税はその年の所得税額が確定する前に概算で分割前納するものであるから,所得税額確定後に確定申告によって精算することになる。

 なお法人税の場合には,分割納付すべき税額を法人みずから申告する。これを予定申告という。
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百科事典マイペディア 「予定納税」の意味・わかりやすい解説

予定納税【よていのうぜい】

所得税納税義務が確定する以前に,年度の途中に前年実績に基づいて当該年度の所得税を予定的に分納する制度。納税の便宜と税収の平準化を目的とする。従来予定申告と合わせて採用されていたが,1965年からこれに一本化。当該年度の予定納税基準額(年税額から源泉徴収税額を控除した額)が一定額以上になる者は,税務署長からの通知に基づき,2期に分けて予定納税基準額の3分の1ずつを納付しなければならない。
→関連項目確定申告

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「予定納税」の意味・わかりやすい解説

予定納税
よていのうぜい

納付すべき所得税額が確定する以前にその一部を前納すること。ある年の所得税額が確定するのはその年の経過後になるので,国の財政の都合と納税者の便宜のため,所得税法により 1954年から設けられた措置 (104条以下) 。前年分の所得税について,確定申告提出の義務があった者は前年分の所得税額を基礎に税務当局が計算した予定納税基準額の3分の1相当額を7月と 11月に分けて納付し (104条1項) ,所得税額が確定した際に清算することになっている。ただし,特別農業所得者の場合は,9月 15日を予定納税基準額算定の基準日とし,2分の1を 11月中に納付しなければならない。

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