二上り新内(読み)ニアガリシンナイ

デジタル大辞泉 「二上り新内」の意味・読み・例文・類語

にあがり‐しんない【二上り新内】

俗曲の一。二上り調子で歌う、新内節のように哀調を帯びた小唄。江戸後期に流行した。

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改訂新版 世界大百科事典 「二上り新内」の意味・わかりやすい解説

二上り新内 (にあがりしんない)

江戸時代後期の流行歌(はやりうた)。文政(1818-30)初めごろ江戸に発生したものらしく,しばらくは非常に流行した。吉原の〈そそり節〉から生まれたものか。同じころ流行した〈よしこの節〉〈都々逸〉に押されていったんすたれたが,明治から大正にかけてふたたび流行した。七五調4句から成り,歌詞曲調新内節クドキに似て二上り調子であるためこの名称がついたものであろう。ただし本調子を基本とする新内節とは直接の関係はない。歌舞伎新派などの下座(げざ)音楽として花柳情緒に悲哀さをそえる場面に用いられる。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「二上り新内」の意味・わかりやすい解説

二上り新内
にあがりしんない

江戸末期の流行歌。新内のように哀調を帯びた旋律を、二上りの調子で演奏するという意。原則として七五調四句からなる小曲で、歌詞は無数。今日でも「悪どめせずとそこ放せ」や「隅田のほとり」がよく歌われる。「靭猿(うつぼざる)」のように、常磐津(ときわず)の一節を歌い込む場合もある。1800年代初頭(文化・文政ごろ)から歌い出されたというが、現存の歌本からみると、ペリー来航(1853)直後が最盛期のようである。

[倉田喜弘]

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百科事典マイペディア 「二上り新内」の意味・わかりやすい解説

二上り新内【にあがりしんない】

俗曲の曲名。江戸後期に流行し,現在も座敷歌として歌われる。三味線は二上りで,歌が新内節のようにしんみりとした情緒をもつためこの名があるが,新内節とは直接の関係はない。7・5調4句の歌詞をもつ。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「二上り新内」の意味・わかりやすい解説

二上り新内
にあがりしんない

日本音楽の種目名称。江戸時代の俗曲の一種目。文化末または文政1 (1818) 年前後から流行し,明治,大正に再流行した。七五調4句の,男女の機微などを扱った歌詞を三味線の二上りの調子で歌うもの。新内を二上りに転じた趣があるのでこの名がある。歌舞伎囃子として花柳情緒を表現するため用いられることもある。

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