五族共和(読み)ゴゾクキョウワ(その他表記)Wǔ zú gòng hé

デジタル大辞泉 「五族共和」の意味・読み・例文・類語

ごぞく‐きょうわ【五族共和】

中国で、辛亥しんがい革命当時、朝を廃し、五族が協力して共和国を建設しようという標語

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精選版 日本国語大辞典 「五族共和」の意味・読み・例文・類語

ごぞく‐きょうわ【五族共和】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 中国で、清末の辛亥(しんがい)革命当時、清の帝政を廃し、漢・満・蒙・蔵・回の五族の共和体制樹立のために、俉廷芳らが唱え始めた標語。
  3. 昭和初期、満州国建国の際に、日本政府の大陸侵略のうたい文句となったスローガン。五族は日本・朝鮮満州・漢・蒙古を指す。

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改訂新版 世界大百科事典 「五族共和」の意味・わかりやすい解説

五族共和 (ごぞくきょうわ)
Wǔ zú gòng hé

中国,辛亥革命直後の1911-12年以降,孫文らが提唱したスローガン。五族とは漢族満州族モンゴル族,回族,チベット族で,中国の主要民族を指す。各民族の平等,融和を主張し,多民族国家としての中国を擁護したもの。〈滅満興漢〉の漢族中心主義からの脱却をはかったものであるが,なお漢族への同化も主張するなど,漢族中心的色彩も残存し,孫文はその後もその弱点克服に努めた。
執筆者: なお満州国の国家イデオロギーとして日本が唱えた〈五族協和〉の〈五族〉とは,満州事変前から満州に居住していた〈漢族,満州族,蒙古族,日本人,朝鮮族〉を指す。
執筆者:

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百科事典マイペディア 「五族共和」の意味・わかりやすい解説

五族共和【ごぞくきょうわ】

中国で孫文辛亥革命直後に唱えた民族融和による共和国建設のスローガン。五族は漢・満・蒙(モンゴル)・回(ウイグル)・蔵(チベット)。その後,孫文は五族共和論から発展し,五族に限定せず,国内各民族の自決権にもとづく自由で統一ある国家の組織という思想に具体化した。
→関連項目協和会満州国

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「五族共和」の意味・わかりやすい解説

五族共和
ごぞくきょうわ
Wu-zu gong-he

中国の辛亥革命の際に主張されたスローガン。孫文ら革命派は,漢族,満州族,モンゴル族,ウイグル族,チベット族の5民族が平等の立場で中華民国を建設することを目指した。五色旗はこれに基づくものである。その後孫文は,漢民族を中心にして他の4民族をこれに同化させるという大漢族主義をもつにいたる。 1924年1月の国民党一全大会宣言では,少数民族の自決権の尊重に基づいて,各民族が自由に連合した統一国家を組織することが目標に掲げられた。しかし今日,この主張は少数民族の自治権の容認にとどまり,現実においては否定されている。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「五族共和」の解説

五族共和
ごぞくきょうわ

中国の漢・満・蒙・回(ウイグル)・蔵(チベット)の5民族が協同して共和国を建設するという主張。1912年中華民国の成立に際し,孫文らの革命家が唱えた。5族が平等に国家の発展に貢献し,中国人の平和と大同の主張のもとでの世界人類の幸福をはかるというもの。のち孫文は漢民族を中心に他民族を同化する中華民族の概念を導入。さらに各民族の自決権にもとづく自由で統一された中華民国の組織へと発展した。のち日本の満州国建国のとき,王道楽土・五族協和(日・漢・満・蒙・朝)に援用された。

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世界大百科事典(旧版)内の五族共和の言及

【満州事変】より

…日本の中国東北・内蒙古への武力侵略戦争。いわゆる十五年戦争の第1段階。1931年(昭和6)9月18日の柳条湖事件を発端とし,狭義には33年5月31日塘沽(タンクー)停戦協定までの期間,広義には37年7月7日蘆溝橋事件による日中戦争全面化までの期間を指す。
[原因,準備]
 日露戦争後のポーツマス会議で日本は帝政ロシアから関東州・南満州鉄道などの権益を譲渡させ,中国の東北(東三省(奉天,吉林,黒竜江の3省)。…

※「五族共和」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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