独立闘争や革命闘争の過程で、闘争の主体たる反徒団体が一定の地域を実効的に支配し、事実上で、限定された地域の政府を樹立するに至ることがある。このようなとき、本国政府または正統政府、さらに第三国たる外国が、この団体を交戦団体として承認することができる。承認された団体は交戦団体とよばれ、国際法上の主体として一定の権利・義務の担い手となる。
すなわち、本国政府または正統政府が承認を行ったときは、これらの政府と、交戦団体の間の闘争関係は、国際法上の戦争となり、戦時国際法が適用される。その結果、国内法上の内乱罪や殺人罪に関する法規は適用を排除され、闘争関係は対等のルールにのることとなる。また、本国政府または正統政府は、交戦団体の支配する地域における外国や外国人の権利を保護すべき義務を免れることができる。他方で、外国が交戦団体を承認したときは、交戦団体は、その支配する地域で、その外国または外国人の権利を保護すべき義務を負うとともに、承認した外国は闘争に対して国際法上の中立の地位にたち、中立法規の適用を受ける。このように交戦団体承認の制度は、内乱がある程度以上に大規模化すると、これに国際法的規制をする必要が生じるため、18世紀末以来成立してきたもので、アメリカの南北戦争のときの南軍がもっとも有名な例である。しかし最近では交戦団体承認の例は跡を絶っている。
[石本泰雄]
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…これは,国の特別の監督下にある法人の予算・決算等の財務に対する国の関与の一形態として,国の機関の承認を受けるべきことが定められている例が多い(日本銀行法38条,放送法37条2項等)が,これとは異なって,国の行政処分たる許可・認可等と同義で承認の語が用いられたこともある(旧〈外国為替及び外国貿易管理法〉11条)。【中島 茂樹】
[国際法上の承認]
〈国家の承認〉〈政府の承認〉および〈交戦団体の承認〉がある。国家の承認は,既存の国家が新たに成立した国家に国際法上の国家としての地位を認める行為である。…
…他方,国際法は,一定の程度まで内乱には関知しない。しかし,反乱団体が国家領域の実質的部分を占拠・支配し,政府または第三国から交戦団体としての承認を受ければ,反乱団体は一定の範囲で国際法主体となり,双方の戦闘には国際法規が適用される。しかし現実には,合法政府側がかかる承認を行う例はほとんどない。…
※「交戦団体」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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