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交通需要マネジメント こうつうじゅようまねじめんとtransportation demand management

知恵蔵の解説

交通需要マネジメント

車の利用方法を工夫することで、増加し続ける道路交通量を調整する計画。国土交通省の試算によると、交通渋滞による時間損失は全国で毎年12兆円分とされ、TDMを活用して渋滞を緩和したり、排出ガスを削減したりすることが求められている。このため国交省などでは自治体や事業者からアイデアを募集、実証実験費用として3分の1を補助している。効果のあった実証実験については、他地域で成果を普及させるのが狙い。これまでに行われた実証実験としては、(1)マイカー利用から公共交通機関にシフトさせるため、100円バスなどの普及、(2)大都市において、複数の輸送会社による共同集配事業、(3)自動料金収受システム(ETC)車載器の普及により、排出ガス量を削減し、渋滞も緩和させる、(4)バスやトラックへの環境自動車の導入、など。

(平栗大地 朝日新聞記者 / 松村北斗 朝日新聞記者 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について | 情報

百科事典マイペディアの解説

交通需要マネジメント【こうつうじゅようマネジメント】

車の利用の仕方や生活の工夫によって自動車交通量を削減する方法のこと。道路交通の円滑化のために,道路の拡張など交通容量拡大では,もはや対応できなくなりつつある。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト百科事典マイペディアについて | 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

交通需要マネジメント
こうつうじゅようまねじめんと
Transportation Demand Management

交通需要の時間的・空間的集中の緩和のために、需要サイドに働きかける交通施策。自動車交通がもたらす交通渋滞、交通公害などの弊害を緩和するため、道路(環境)整備などの供給側施策とは別に、需要側の調整によって交通集中の緩和を図る対策として、アメリカにおいて、1980年代後半より重視されるようになってきた考え方。略称TDM。道路整備が困難なヨーロッパの都市において、1970年以前から交通規制や駐車場政策、バス交通の優先策など自動車交通量の抑制を図る対策(Traffic Management)が行われてきた。さらに軌道交通(公共交通)を含めた交通システム全体の対策として総合的な交通システムマネジメント(TSM:Transportation System Management)となり、その延長として交通需要サイドへの働きかけを重視した対策として交通需要マネジメントが図られるようになった。施策の対象(目的)とその代表的な手法を以下に掲げる。
(1)自動車の効率的利用の推進 相乗りの推進、カーシェアリング、複数乗車の自動車のみが走行できる車線(HOVレーン:High Occupancy Vehicle Lane)の設置、物流共同輸配送の推進など。
(2)交通手段変更誘導策の推進 パーク・アンド・ライド(駅まで車で行き駐車、そこからバスや電車を利用)、公共交通機関の改善(運行状況をリアルタイムで表示するバス・ロケーション・システム、駅のエレベーターやエスカレーターの設置など)、歩行者専用地区、自転車専用車線、トランジットモール(公共交通機関やタクシーと緊急車両のみの通行を許可する歩行者優先の街路)の設置など。
(3)交通発生源の調整 職住接近型のまちづくり(コンパクト・シティ)、通信手段による代替(在宅勤務)、駐車場規制、勤務日数の変更など。
(4)交通ピーク時間(出発時刻)の変更 時差出勤(オフピーク出勤)やフレックス・タイム勤務、ノーマイカーデーの推奨、オフピーク割引乗車券の設定、ロードプライシングなど。
(5)経路変更(適切な自動車利用)の促進方策 道路混雑情報や事故・工事情報のリアルタイム提供、経路誘導、ロードプライシングなど。
 日本では、1993年(平成5)11月、各都道府県において「新渋滞対策プログラム」を策定し、このなかで、交通需要マネジメントに新たに取り組むこととされた。1994年度には、警察庁、運輸省および建設省(ともに現、国土交通省)の連携のもと、「渋滞対策協議会」が設置されるとともに、交通需要マネジメント施策に積極的に取り組む都市を支援する「総合渋滞対策支援モデル事業」が創設された。1996年には建設省から「わが国における交通需要マネジメント実施の手引き」が発行され、札幌市の「さっぽろ都心交通計画」における諸施策(荷さばきシステム等)や、金沢市のパーク・アンド・バスライドなど、各地で社会実験も含め種々の交通需要マネジメント施策が実施された。[片倉正彦]
『交通工学研究会編・刊『渋滞緩和の知恵袋――TDMモデル都市・ベストプラクティス集』(1999)』

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について | 情報 凡例

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