国立大学法人。1899年(明治32)設立の農商務省直轄京都蚕業講習所と1902年(明治35)設立の文部省直轄京都高等工芸学校とが前身。1949年(昭和24)工芸学部と繊維学部の2学部からなる新制国立大学として発足。工芸学部には色染工芸学、意匠工芸学、住環境学など異色の学科があったが、併設の工業短期大学(1951年設置)とともに1988年に改組され、機械システム、電子情報、物質、造形の各工学科が設置された。繊維学部は全国に2か所あるだけ(他は信州大学)で、応用生物学、高分子学、デザイン経営工学の3学科が置かれた。2006年(平成18)、両学部の全学科を改組・再編し、応用生物学課程、生体分子工学課程、造形工学課程など10課程からなる工芸科学部ができた。大学院は工芸科学研究科に修士・博士課程が設置され、付属施設に美術工芸資料館がある。2004年4月、国立大学法人法の施行に伴い、国立大学法人となる。本部は京都市左京区松ヶ崎橋上町。
[馬越 徹]
『京都工芸繊維大学編・刊『京都工芸繊維大学百年史』(2001)』
1949年(昭和24)に設立された国立大学。1899年(明治32)に京都に開設された京都蚕業講習所,1902年に設立された京都高等工芸学校を起源とする。2016年(平成28)5月現在,学生数は4017人,キャンパスは京都市(松ヶ崎,嵯峨)に位置する。開学当初は工芸学部と繊維学部が設置されたが,2006年に学部・学科制にとらわれない教育プログラムを促進するため従来の2学部を工芸科学部として統合した。1学部1研究科で構成される工科系大学であるが,建学以来「科学と芸術の融合」を重視し,バイオ,材料,電子,情報,機械,環境などの先端科学技術分野とともに,建築・デザイン分野において幅広い教育研究活動を展開している。教育改革を積極的に進めており,2009年に理工系学生が備えるべき知識・技能を「KITスタンダード」としてまとめ,遺伝子,環境科学,ものづくり,造形感覚,知的財産,英語,数学の領域に関する独自の検定制度を導入している。
著者: 福井文威
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