新制(読み)しんせい

百科事典マイペディアの解説

新制【しんせい】

主に平安・鎌倉時代に天皇・院の勅旨に基づき宣旨太政官符官宣旨院宣などの形式で出された公家法公家新制ともいい,鎌倉時代に幕府が発布した同種の法令を武家新制関東新制とも),また個々の公家が公家新制にならって家中を対象に制定したものを家中(けちゅう)新制,同じく寺院のそれを寺辺(じへん)新制という。10世紀半ばから発布され,初めは官人の過差(かさ)(身分不相応の奢侈)を禁止する条項が多く,1040年以降は荘園整理の法令が繰り返された。後白河天皇・後白河院の代に出された保元新制建久新制は従来の新制と性格を異にし,中世王権の確立を目的としたもので,その後の新制の基本となった。なお《三代制符》は建久新制・寛喜新制・文永新制の3新制を集めて開板したもの。→弘長新制

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精選版 日本国語大辞典の解説

しん‐せい【新制】

〘名〙
① 新しい制度。また、新しい体制。⇔旧制
※権記‐長徳四年(998)八月一六日「抑受領之吏、去任二年之中不堪公文之輩、不叙用之由、当時新制也」 〔洛陽伽藍記‐城南・景明寺〕
② 新制高校、新制中学など、第二次世界大戦後の日本の学校制度。昭和二二年(一九四七)公布の学校教育法により施行。
※焼け跡闇市派宣言(1969)〈野坂昭如〉五「中学五年、高校一年で、新制に切りかわっている」

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世界大百科事典 第2版の解説

しんせい【新制】

おもに平安・鎌倉期,天皇・院の意志に基づいて発布された法令。南北朝初期にも1例を数える。本来,新制とは天皇・院の発布したものをさしたが,鎌倉期に入って幕府が発布した同種の法令を武家新制(また関東新制)と称するようになると,天皇・院の発布した新制を公家(くげ)新制と称するようになり,このほか家中(けちゆう)新制,寺辺(じへん)新制などもあらわれた。 まず,公家新制についてみると,公家新制は10世紀中葉を初見とし,発布形式は,初期には太政官符,のち宣旨・官宣旨が一般的となり,鎌倉末期に至って院宣が通例となった。

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