百科事典マイペディア 「茨田堤」の意味・わかりやすい解説
茨田堤【まんだのつつみ】
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「日本書紀」仁徳11年条に北河(現,淀川)の水害を防ぐために築かせたとある堤。河内国茨田郡の豪族茨田連衫子(ころものこ)が造成に従事した。「古事記」には秦人を使役したとある。あわせて茨田屯倉(みやけ)がおかれた。大阪府枚方市伊加賀から寝屋川市池田にかけて痕跡が残るとの説もある。「続日本紀」には,750年(天平勝宝2)・770年(宝亀元)・772年と,たびたび決壊・修復した記事がみえる。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
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[堤防の種類と発達]
堤防の呼び方には,雁堤(雁行堤)などのように形状に由来するもの,荒川の吉見堤や向島堤のように地名に由来するもの,信玄堤などのように施工者名を冠したものがある。日本で初めて記録に現れる堤防は淀川筋の茨田堤(まんだのつつみ)で,《日本書紀》によれば,仁徳天皇の11年,枚方付近の堤防を修築し,これより下流の淀川左岸一帯のはんらんを防止したとされている。昔は川に接する人家や畑の周囲に土を盛って洪水の浸入を防いだが(畑囲い堤という),時代が下がると,川の下流部では大きな集落を単位として強固な堤防でその周囲を巡らし,洪水を防ぐようになった。…
…東方の生駒山系北部に発する諸河川を水源としたとみられる。北西を流れる淀川がはんらんすると淀川左岸の地を浸すことになるので,これを防ぐため茨田堤が築かれたが,この築造に関する説話が《日本書紀》仁徳紀にみえる。これは大和朝廷が河内平野北部の開発に積極的であったことを物語る。…
※「茨田堤」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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