仁者(読み)ジンシャ

デジタル大辞泉 「仁者」の意味・読み・例文・類語

じん‐しゃ【仁者】

情け深い人。
儒教の説く仁徳を備えた人。仁人
[類語]聖人聖者聖女聖賢聖哲ひじり四聖君子生き仏生き神

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「仁者」の意味・読み・例文・類語

じん‐しゃ【仁者】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 仁の徳を備えている人。孔子、または儒教の説く「仁」を実践する人。また、仁の道に到達した人。仁人。
    1. [初出の実例]「仁者楽之何所寄、国家襟帯在西東」(出典:凌雲集(814)九月九日待宴神泉苑各賦一物得秋山〈菅原清公〉)
    2. 「高倉殿は元来仁者の行を借て、世の譏(そしり)を憚る人也ければ」(出典:太平記(14C後)三〇)
    3. [その他の文献]〔易経‐繋辞〕
  3. 情け深い人。博愛の人。
    1. [初出の実例]「Iinxa(ジンシャ)ヲ トモニ シヨウ ヒトワ、ワルイ モノニ トヲザカラズンバ」(出典:天草本伊曾保(1593)炭焼と洗濯人の事)
    2. 「仁者(ヂンシャ)に刃向ふ釼(つるぎ)もなくすごすご立って行綱は」(出典:浄瑠璃・源平布引滝(1749)一)
  4. ( 「仁」とともに漢訳仏典で対称代名詞のように用いられる。ふつう「にん」「にんじゃ」と読む ) 仏語。きみ。なんじ。→にんじゃ(仁者)

にん‐じゃ【仁者】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「仁」とともに漢訳仏典で、対称の代名詞のように用いられる ) 仏語。相手を呼ぶ語。きみ。なんじ。じんしゃ。にん。
    1. [初出の実例]「爰に吾問ひて曰はく仁者は誰人ぞといふ」(出典:日本霊異記(810‐824)中)
    2. [その他の文献]〔維摩経‐下〕

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普及版 字通 「仁者」の読み・字形・画数・意味

【仁者】じんじや

仁徳をそなえた人。〔論語、子罕〕知は惑はず。仁は憂へず。は懼れず。

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