今城塚古墳(読み)いましろづかこふん

共同通信ニュース用語解説 「今城塚古墳」の解説

今城塚古墳

今城塚いましろづか古墳 大阪府高槻市にある6世紀前半の前方後円墳全長約190メートル。二重の周濠しゅうごうが巡り、堤には家や武人みこ、動物など多数埴輪はにわが並ぶ祭祀さいし場が設けられていた。断層の真上に築かれたため、1596年の慶長伏見けいちょうふしみ地震で墳丘崩壊。市教育委員会の調査で、横穴式石室は崩れてなくなっていたが配水施設を備えていたことや、兵庫県や熊本県などの石材を使った3基の石棺を納めていたことが判明している。

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日本歴史地名大系 「今城塚古墳」の解説

今城塚古墳
いましろづかこふん

[現在地名]高槻市郡家新町

平地に立地する北西向きの前方後円墳で、二重濠をめぐらせる。墳丘だけでも全長一九〇メートルあり、外濠を含めた全長三五〇メートルという大規模なもの。国指定史跡。幅・高さとも前方部のほうが後円部を凌駕し、くびれ部両側の造出しのうち、南側の部分は削られて旧状をとどめない。墳丘および内堤からは、円筒埴輪や家・武人などの形象埴輪が発見されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

国指定史跡ガイド 「今城塚古墳」の解説

いましろづかこふん【今城塚古墳】


大阪府高槻市郡家新町にある淀川流域では最大級の前方後円墳。指定名称は「今城塚古墳 附新池埴輪製作遺跡(つけたりしんちはにわせいさくいせき)」。三島平野のほぼ中央に位置し、西向きの墳丘の周囲には2重の濠がめぐり、外濠を含めた全長約350m、前面約幅340mという大きな規模をもつ。数基の陪塚(ばいちょう)も配しており、日本最大の家形埴輪(はにわ)や精緻な武人埴輪が発見されている。6世紀前半の築造とされるこの古墳は、継体(けいたい)天皇陵というのが学界定説で、1958年(昭和33)に国の史跡に指定された。今城塚古墳の西、約1.5kmのところにある上土室(かみはむろ)の新池埴輪製作遺跡は、5世紀中ごろから6世紀中ごろまでの約100年間操業していた日本最古最大級の埴輪生産遺跡で、3棟の大型埴輪工房と18基の埴輪窯、工人集落などが発掘調査で確認された。大王陵級古墳の埴輪生産システムを具体的に知ることができる貴重な遺跡として、2006年(平成18)に「今城塚古墳 附新池埴輪製作遺跡」として国の史跡に追加指定された。今城塚古墳へは、JR東海道本線摂津富田駅から高槻市営バス「氷室下車徒歩約3分。新池埴輪製作遺跡へは、同駅から市営バス「上土室」下車、徒歩約5分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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