仙骨(読み)センコツ

精選版 日本国語大辞典 「仙骨」の意味・読み・例文・類語

せん‐こつ【仙骨】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 仙人の骨相の意 ) 世俗を超越した風采(ふうさい)。非凡な骨相。また、その骨相の人。
    1. [初出の実例]「二毛齢近沈洙水、仙骨望疲仰禁闈」(出典:本朝無題詩(1162‐64頃)四・三月尽日述懐〈藤原敦光〉)
    2. 「そのがっしりした猪頸の躯つきと、〈略〉髯蓬々たる面相とは〈略〉一種仙骨を帯びて見えるほど無気味にも奇怪な感じであった」(出典:竹沢先生と云ふ人(1924‐25)〈長与善郎〉竹沢先生と虚空)
    3. [その他の文献]〔神仙伝‐墨子〕
  3. ( 院の御所仙洞(せんとう)といったことから ) 上皇法皇遺骨
    1. [初出の実例]「後伏見院かくれ給ひて後、仙骨を従三位守子墓所にならべておきたてまつるべきよし」(出典:風雅和歌集(1346‐49頃)雑下・二〇〇五・詞書)

せん‐こつ【仙骨・薦骨】

  1. 〘 名詞 〙 脊柱(せきちゅう)の下端部で、骨盤の後壁をつくる骨。人では五個の脊椎(せきつい)が癒合(ゆごう)してできたもので、逆二等辺三角形を呈し、四対の穴がある。〔重訂解体新書(1798)〕

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百科事典マイペディア 「仙骨」の意味・わかりやすい解説

仙骨【せんこつ】

脊椎のうち5個の仙椎が癒合して生じた骨。骨盤の後壁を作る。その形は長めの菱(ひし)形であるが,十字架になぞらえてラテン語でos sacrum(神聖な骨)と名づけられた。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「仙骨」の意味・わかりやすい解説

仙骨
せんこつ
sacrum

5個の仙椎が結合して一体となったもの。寛骨とともに骨盤を形成している。

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栄養・生化学辞典 「仙骨」の解説

仙骨

 骨盤の後壁を作る三角状の骨.脊柱の中で最も大きい骨.

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世界大百科事典(旧版)内の仙骨の言及

【骨盤】より

…ただしこの鉢は,底に大きい穴〈骨盤出口〉があいて,直腸,尿道,女では腟(産道)を通している。骨盤をつくっている骨は第5腰椎,仙骨,尾骨および左右の寛骨である。寛骨はさらに腸骨,恥骨,坐骨の3部から成っている。…

【脊椎】より

…肋骨のついた胸椎は数は少ないが成熟するとともに前後に癒合する。後部胸椎,腰椎,および前部尾椎は本来の仙椎と癒合して合仙骨となり,これがまた両側の寛骨と癒合して独特の骨盤をつくる。その後ろに,癒合した数個の尾椎からなる短い尾端骨がつく(尾羽はこれの周囲に生える)。…

※「仙骨」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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