翻訳|proxy war
一国が直接戦争をすることなく、その与国的存在の国に身代り的に他陣営の国と戦わせる戦争で、自らが戦争に訴えた場合と同じ政治的効果をあげることをねらいとしている。失敗しても、(1)自国の損害は非常に少ない、(2)新兵器・新戦術がテストできる、(3)相手の戦略・戦術が読み取れる、などの効用があるとされている。
日露戦争は英米のために日本がロシアに対して行った代理戦争といわれるが、代理戦争という用語が頻繁に使われ始めたのは第二次世界大戦後である。米ソ対立が激化するなかで朝鮮戦争は米ソの代理戦争といわれた。アジア・アフリカを中心とする第三世界各地で起こったいわゆる「民族解放戦争」をソ連の浸透とみたアメリカは、それをソ連の代理戦争とよんでいたが、冷戦後は代理戦争は死語となった。
[林 茂夫]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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