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具注暦 ぐちゅうれき

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

具注暦
ぐちゅうれき

古代中国や奈良,平安時代の日本で用いられた太陰暦による暦。歳位,星宿干支吉凶禁忌などが漢文でつぶさに注記されているところからこの名がある。日本では正倉院所蔵の天平 18 (746) 年,同 21年,天平勝宝8 (756) 年の断簡が最古のものとされる。陰陽寮で編纂され,中務省を経て毎年 11月1日に諸司に頒布されたほか,民間で刊行されたものも多い。1~6月までと7~12月までの上下2巻の巻子本 (かんすぼん) に仕立てられ,歳首に暦注の説明がある。日ごとに1~数行分の余白があり,『御堂関白記』や『明月記』のように,日記を書いた例が多い。室町時代以後は次第にかな書きの京暦,伊勢暦,三島暦などがこれに代った。中国では敦煌文献に唐,五代,宋の遺品を伝える。

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デジタル大辞泉の解説

ぐちゅう‐れき【具注暦】

奈良時代に始まり、平安時代に広く用いられた漢文の暦本暦日の下に歳位・星宿干支(えと)・吉凶などが詳しく注記してあるのでこの名がある。日ごとに2~3行の余白を設けてあるので、公家らが日記として利用した。

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百科事典マイペディアの解説

具注暦【ぐちゅうれき】

奈良時代以来行われ,平安中期以後盛んに用いられた暦。暦日の下に,その日の吉凶・禍福・季節の変動を詳しく注記したもの。現存最古のものは東大寺正倉院文書中の746年のものだが,木簡の断簡で729年のものが発見されている。
→関連項目園太暦九暦御堂関白記

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世界大百科事典 第2版の解説

ぐちゅうれき【具注暦】

漢字のみで書かれた暦。仮名暦に対しては真名(まな)暦とも呼ばれる。具とはつぶさにという意味で,注とは暦注のことである。古くは暦は具注暦のみであった。一,二の例外はあるが,元来具注暦は書写暦のみでその体裁は半年分ずつに作られた1年分が2巻の巻暦である。また上等の具注暦は書込みができるように行間があいているので間明(まあき)暦ともいう。暦道の本家である土御門では具注暦はほんとうは気朔暦と呼ぶべきであるといっている。

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大辞林 第三版の解説

ぐちゅうれき【具注暦】

奈良時代以後、陰陽寮おんようりようで作成された漢字書きの暦本。巻子本で、干支・七曜・月齢・歳位・吉凶などを漢文で注記したもの。筆写により少数を頒布。行間の空白や裏面を利用して、公家らがしばしば日記を記した。明治初年まで発行。真名まな暦。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

具注暦
ぐちゅうれき

日の吉凶、禍福、禁忌などを詳しく漢字で書き記した暦書をいい、真名(まな)暦ともいう。仮名(かな)暦にも具注があるが、具注暦とはよばない。日本で暦が施行されて以来、明治初年まで、陰陽(おんみょう)寮から手写して発行したもので、その発行部数はごくわずかである。『延喜式(えんぎしき)』(967施行)によれば、頒暦は166巻で、宮廷・貴族をはじめ、地方の国衙(こくが)に配った。現存する最古の具注暦は正倉院にある746年(天平18)の暦である。具注暦は行間にすきまがあって、その日の日記あるいはメモを記入できるようになったものがある。また裏面を利用して日記をはじめさまざまな記録が書かれていて、歴史の資料として貴重なものであり、重要文化財に指定されているものが少なくない。陽明文庫所蔵の『御堂(みどう)関白記』は国宝に指定されている。[渡辺敏夫]
『渡辺敏夫著『日本の暦』(1976・雄山閣出版)』

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世界大百科事典内の具注暦の言及

【御暦の奏】より

…南殿庭上において行ったため,庭立(にわたち)の儀ともいうが,降雨や天皇が出席しないときは,内侍に付して奏進した。《延喜式》等によると,天皇に具注暦(ぐちゆうれき)2巻(6月以前を上巻,7月以降を下巻)を,中宮・東宮にも各2巻を進めるほか,内外諸司に166巻(83部)をわかつ頒暦も行われた。頒暦を受けた内外諸司はさらにその写しを作り,所属の寮司や郡司に分け,年内にそれの配布を終了させる。…

【日次記】より

…日々のできごとを日次を追って書きついでゆく日記。古くは具注暦の暦面に書かれることが多かったので〈暦記〉とも称された。これに対し特定の事柄について詳細な記録を残すため書かれたものを〈別記〉という。…

※「具注暦」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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