改訂新版 世界大百科事典 「伊平屋伊是名諸島」の意味・わかりやすい解説
伊平屋伊是名諸島 (いへやいぜなしょとう)
沖縄県,沖縄島(本島)の北西に位置し,伊平屋島,伊是名島を主体とし,野甫島,具志川島など7個の島よりなる諸島。俗に〈伊平屋の七離れ〉と称し,また伊是名島を前地,伊平屋島を後地(くしち)とも呼んだ。琉球弧の中帯に属し,古生層よりなるが,地形は変化に富む。伊平屋島は田名(だな)島とも呼ばれ,最大の島で,北東~南西に細長くのび,数峰の山岳が連亙(れんこう)し,南部には最高点の賀陽山(294m)がそびえ立つ。平地は田名平野,田名池,我喜屋平野がある。伊是名島はほぼ円形の島で,伊平屋島に比べて低地性の地形をなし,チヂン山,大野山は120m程度に過ぎず,他は国頭礫層(くにがみれきそう)の台地が展開し,集落は海岸の砂丘上に位置する。第二尚氏王統の始祖尚円王の生誕地として知られ,伊是名玉御殿(たまうどん)(県史跡)など名所,旧跡が多い。位置的には国頭郡に近いが,行政的な便宜から諸島全体が島尻郡に属し,1939年,伊平屋村,伊是名村に分かれた。伊平屋村は面積21.72km2,人口1385(2010),伊是名村は面積15.41km2,人口1589(2010)。産業はともにサトウキビ,稲作の農業と肉用牛の畜産を主とする。
執筆者:田里 友哲
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報