伏角(読み)フッカク(その他表記)inclination

翻訳|inclination

精選版 日本国語大辞典 「伏角」の意味・読み・例文・類語

ふっ‐かくフク‥【伏角】

  1. 〘 名詞 〙 地磁気の全磁力の方向が水平面とつくる角度重心でささえられた磁針が水平面とつくる角度。磁気赤道では零度磁極では九〇度である。
    1. [初出の実例]「池の周囲の磁力測量、尤も伏角だけではあるが」(出典:池(1924)〈寺田寅彦〉)

ふく‐かく【伏角】

  1. 〘 名詞 〙ふっかく(伏角)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「伏角」の意味・わかりやすい解説

伏角
ふっかく
inclination

地磁気の方向が水平面となす角度。水平から下向きを正、上向きを負にとる。水平面内の方向は偏角という。伏角が0度、つまり地磁気の方向が水平である場所を磁気赤道という。伏角は赤道付近で0度に近く、高緯度になるにしたがい北半球では正の大きな値に、南半球では負の大きな値になる。伏角がプラス90度、またはマイナス90度になるところは北磁極南磁極とよばれ、現在はそれぞれカナダのバフィン島の北および南極アデリー・ランドの北の海中にある。

河野 長]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の伏角の言及

【地磁気】より


[地磁気の3成分と極]
 さて,地磁気はベクトル量なので三つの成分で表す必要がある。南北(X)成分,東西(Y)成分,鉛直(Z)成分の組合せを使うのが単純であるが,通常,地理的北からのずれの角度である偏角D,水平からの傾きの角度である伏角I,全磁力Fまたは水平方向の大きさである水平分力Hの3成分で表すことが多い(図1)。 磁気コンパスの指す方向が真の北とずれていることは早くから知られており,コロンブスが大西洋を横断してアメリカ大陸を発見した際にも,地磁気の偏角が場所場所で異なることを彼自身が記録している。…

※「伏角」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む