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偏角 へんかくdeclination

翻訳|declination

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

偏角
へんかく
declination

地磁気の3要素の1つ。地磁気の水平分力の方向地理学的北極 (または南極) とのなす角度。すなわち地磁気子午線と地理学上の子午線とのなす角度。偏角の測定は方角を知るうえで最も簡単で正確な方法を与えるので,古くから世界各地で測定がなされている。ハレー彗星で有名な天文学者の E.ハレーはすでに 1702年に全世界の偏角図を発表している。現在東京付近での偏角は約6°西 (磁針の向きが北に対して西のほうへ6°傾く) である。しかしこの値は時代とともに変化し,1600~1700年代には東京 (江戸) における偏角は6~4°東であった。

偏角
へんかく
angle of deviation

プリズムによる光の屈折において,入射光線反射光線とのなす角。ふれの角ともいう。

偏角
へんかく
argument

平面上の点を,極座標で,極 (原点) からの距離 r と方向 θ で表わすとき xr cos θ,yr sin θ になる。この角 θ のことを偏角という。

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デジタル大辞泉の解説

へん‐かく【偏角】

複素数を複素平面上の点で表すとき、動径と実軸とのなす角。
磁石の針が指す南北の線と、地球の実際上の南北の線すなわち子午線とのなす角。方位角。「偏角儀」
プリズムによる光の屈折における、入射光線と射出光線のなす角。プリズムの頂角屈折率によって異なる。

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百科事典マイペディアの解説

偏角【へんかく】

複素数地磁気

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世界大百科事典 第2版の解説

へんかく【偏角】

(1)地磁気の偏角declination 地磁気の水平分力(水平磁力ともいう)の方向と水平面の北の方向との間の角。地磁気(2)光学系の偏角angle of deviation プリズムに入射した光は屈折されて出てくる。この入射光と透過光のなす角を偏角という。プリズム(3)複素数の偏角argument(amplitude) 複素数α=abi(a,bは実数,iは虚数単位)の絶対値r,x軸の正の方向とベクトルのなす角をθとすれば,αは, α=r(cosθ+isinθ)と表される(図)。

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大辞林 第三版の解説

へんかく【偏角】

基準の方向からふれた角。
複素平面上で複素数を表す点と原点を結ぶ直線が実軸となす角。
プリズムで、入射光線と透過光線のなす角。振れの角。
航空機で、機体の向きと進行方向のなす角。偏流角。
地磁気の水平磁力の方向と子午線のなす角。すなわち、磁針の指す北の方向と地理学上の北の方向のなす角。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

偏角
へんかく
declination

地磁気の方向で、真北から水平に東向きに測った角度。水平面からの地磁気方向のずれは伏角(ふっかく)である。かつて航海などの目的に広く用いられた羅針盤(マグネティック・コンパス)は、水平面内の地磁気の方向を簡単に測定するものである。磁気図などで、船がいる場所の付近での偏角の値が詳しくわかっていれば、六分儀などで求めた緯度の値と羅針盤で求めた偏角の値から、位置座標(緯度、経度)を推定することができた。[河野 長]

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世界大百科事典内の偏角の言及

【座標】より


[極座標polar coordinates]
 平面上に1点OとOからでる半直線OXを定めるとき,この平面上の点Pの位置は,線分OPの長さrと半直線OPの半直線OXからの角θによって表される。(r,θ)をPの極座標といい,rを動径,θを偏角という。このとき,Oを原点または極といい,半直線OXを原線という(図7)。…

【地磁気】より


[地磁気の3成分と極]
 さて,地磁気はベクトル量なので三つの成分で表す必要がある。南北(X)成分,東西(Y)成分,鉛直(Z)成分の組合せを使うのが単純であるが,通常,地理的北からのずれの角度である偏角D,水平からの傾きの角度である伏角I,全磁力Fまたは水平方向の大きさである水平分力Hの3成分で表すことが多い(図1)。 磁気コンパスの指す方向が真の北とずれていることは早くから知られており,コロンブスが大西洋を横断してアメリカ大陸を発見した際にも,地磁気の偏角が場所場所で異なることを彼自身が記録している。…

【プリズム】より

…滑らかに研磨された平行でない平面を二つ以上もつ透明体。用途により,分散プリズム,偏角プリズム,偏光プリズムなどがある。ギリシア語およびラテン語のprismaに由来し,原義は〈削る〉。…

※「偏角」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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