会津本郷焼(読み)あいづほんごうやき

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「会津本郷焼」の意味・わかりやすい解説

会津本郷焼
あいづほんごうやき

福島県西部,会津美里町で産する陶磁器会津焼,本郷焼とも呼ばれる。美濃国(岐阜県)の陶工,水野源左衛門が岩代国(福島県)長沼に来て陶器を焼いたのに始まり,のちに彼が本郷村に移窯し,正保4(1647)年に藩主保科正之の援助を得てから発展した。源左衛門の没後,弟の長兵衛が跡を継ぎ,石灰や煉瓦なども焼成して名をあげ,藩主より「瀬戸右衛門」の名を与えられて,陶器の本系で代々その名を襲名。寛政年間(1789~1801)に陶工の佐藤伊兵衛が,瀬戸,信楽(しがらき),京都,有田などを訪れて製磁法を研究して帰り,寛政12(1800)年に白磁の焼成に成功。これより会津でも磁器窯が増した。磁器は伊万里風(幕末頃)で,明治以降には急須土瓶の焼成が主流となった。1993年,国の伝統的工芸品指定

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事典 日本の地域ブランド・名産品 「会津本郷焼」の解説

会津本郷焼[陶磁]
あいづほんごうやき

東北地方、福島県の地域ブランド。
大沼郡会津美里町(旧・大沼郡会津本郷町)で製作されている。安土桃山時代に蒲生氏郷が会津に移封された際、会津若松黒川城の城郭修理のため屋根瓦を焼かせたことから、会津本郷での焼き物づくりが始まったと伝わっている。江戸時代初期には会津藩御用窯として栄えた。陶器は、会津藩主・保科正之が来遊した瀬戸の陶工を引きとどめて製陶を命じたのがその起こり。東北最古の白磁の産地である。福島県伝統的工芸品。1993(平成5)年7月、通商産業大臣(現・経済産業大臣)によって国の伝統的工芸品に指定。

出典 日外アソシエーツ「事典 日本の地域ブランド・名産品」事典 日本の地域ブランド・名産品について 情報

デジタル大辞泉プラス 「会津本郷焼」の解説

会津本郷焼

福島県大沼郡会津美里町に伝わる焼き物。製造の起源は戦国時代に遡るとされる。国の伝統的工芸品に指定。

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