斟酌(読み)しんしゃく

精選版 日本国語大辞典「斟酌」の解説

しん‐しゃく【斟酌】

〘名〙 (水、飲料などをくみ分ける意から)
① 酒などをくみかわすこと。
※本朝麗藻(1010か)下・寒近酔人消〈大江以言〉「仰恩无筭、便識堯樽百姓親」 〔蘇武‐詩四首〕
② あれこれと照らし合わせて取捨すること。参酌(さんしゃく)
※続日本紀‐慶雲元年(704)六月丁巳「令条以外、不雑使、其有関湏一レ守者、随便斟酌、令守備
※随筆・折たく柴の記(1716頃)中「虚費年々に増して、其役にしたがひがたき所あるを以て、時の宜しきところを斟酌せられしとみえたり」 〔国語‐周語第一〕
③ 先方の事情、心状をよくくみとること。推察すること。忖度(そんたく)
※真俗交談記(1191)「資実暫不其旨。有斟酌気。親経一具可申之由。被誘詞
※太平記(14C後)三六「斯(か)かる事には謀作(ほうさく)・謀計なんども有るぞかし。卒爾にはいかが申し入るべきと斟酌(シンシャク)して」
④ ほどよくとりはからうこと。気をつかうこと。手加減すること。
※小右記‐長和三年(1014)正月二九日「召将監重方、問宿院等祿法。斟酌可行」
⑤ ひかえ目にすること。遠慮。ためらい。辞退。
※極楽寺殿御消息(13C中)第三九条「人の方より物を給り、やくなと承候こと候はば、おほせにしたかうとも、しんしやくあるへし」
※浮世草子・日本永代蔵(1688)六「思ひの外なる薬代、くすしも再三のしんしゃく、取次の人も力を添、銀百枚借て、此医者に家屋敷をもとめさせ」

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デジタル大辞泉「斟酌」の解説

しん‐しゃく【×斟酌】

[名](スル)《水や酒をくみ分ける意から》
相手の事情や心情をくみとること。また、くみとって手加減すること。「採点に斟酌を加える」「若年であることを斟酌して責任は問わない」
あれこれ照らし合わせて取捨すること。「市場の状況を斟酌して生産高を決める」
言動を控えめにすること。遠慮すること。「斟酌のない批評」
[類語](1推量推測推察推定察し推断推認了察明察賢察高察拝察酌量酌む忖度憫察びんさつ推考端倪たんげい邪推類推憶測配慮揣摩しま揣摩憶測しまおくそく心配り気配り心遣い気遣い推し量る酌み取る思い思い勘繰る思いやるおもんぱかる推し当てる心当て気を回す見越す察する感じ取る手加減容赦匙加減お手盛り手心手心を加えるお手柔らか手柔らかお情け/(3遠慮気兼ね心置きはばか控え目忌憚きたん謹慎内輪憚る控える差し控える慎む断る

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普及版 字通「斟酌」の解説

【斟酌】しんしやく

くみかわす。また、他の事情を考慮に入れる。〔国語、周語上〕天子を聽くや、~百工諫め、庶人傳語し、臣規を盡し、親戚補察し、瞽(こし)誨し、(きがい)之れを修め、而る後王斟す。(ここ)を以て事行はれて(もと)らず。

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