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会計情報システム かいけいじょうほうシステムaccounting information system; AIS

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

会計情報システム
かいけいじょうほうシステム
accounting information system; AIS

近年盛んになってきた情報システムと会計システムとを結合させたもので,経営情報システムサブシステムである。元来会計は株主,債権者,政府機関などに対する財務報告をその主たる機能としていたが,近年ではそれにとどまらず,会計情報意思決定業績評価のような経営管理面にも役立てようとする管理会計的側面が重視されるようになり,そのための情報処理システムへの要請が強まってきた。ここでは経済活動から得られるデータを会計システムを通じて会計情報として把握し,それを必要に応じて経営管理者に提供する。会計が会計情報システムとしての認識を高めたのはコンピュータの発展によるところが大きい。すなわち今日ではコンピュータは単なる計算機ではなく,データやインフォメーションの分類,整理,分析,記憶といった高度な情報処理能力をもっている。したがってコンピュータの導入は単に手作業から機械処理への移行による省力化,迅速化だけでなく,各種の管理技法の利用,高度な情報処理を可能とすることによって会計情報システムの有用性を飛躍的に増大させた。 (→EDP会計 )  

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

会計情報システム
かいけいじょうほうしすてむ
accounting information system

企業の利害関係者の意思決定に役だつ会計情報の伝達のために構築された情報処理システム。企業は、社会の制度として企業外部の利害関係者に対して、定期的に業績等に関する会計報告書(通常は財務諸表という)を開示しなければならないが、経営者や管理者自らも経営上の意思決定を円滑に進めるために、会計に関するデータを活用している。それらの会計に関する情報の作成は、現代においてはコンピュータの利活用によって支えられており、企業内に構築されたそのような仕組みの全体を会計情報システムという。英文の頭文字をとってAISとよぶことがある。
 企業経営における会計情報システムは、コンピュータの普及が加速した1960年代において展開された経営情報システムmanagement information system(MIS)のサブシステムとして登場したといえる。とくに、1966年にアメリカ会計学会(AAA)から発表された「基礎的会計理論の報告書」a statement of basic accounting theory(ASOBAT)は、会計データが企業内外の関係者の意思決定に重要な影響を与える役割を強調して、当該情報のアウトプット(出力)のために適切かつ的確なシステムの構築が前提であるとしたことは、その後のAISの展開に大きな影響を与えた。
 その後、社会制度としての会計(一般にいう財務会計)は、国際会計基準との調和を促進する方向を選択するとともに、会計情報そのものに予測を含む実態開示情報という意義を強めて、自国の会計基準の積極的な改正に着手することとなり現在に至っている。複雑化する会計処理のために、適切なソフトウェアの開発、膨大なデータベース化、通信ネットワーク・インフラとの有機的な接合等による情報収集と処理が促進されて、ますます本格的なAISの意義を強めている。企業経営のための会計情報(一般にいう管理会計)の作成は、古くは財務会計とは別個のシステムによって入手するものとされてきたが、AISの浸透はこれらの統合化を推進している。すなわち企業の本格的なAISでは、基本的な実態としての会計データと加工に必要な基礎データの入力により、企業経営の求める多様な会計情報を適時・適切にアウトプットする仕組みを統合的に構築するようになり、現在では、経営管理のコア・システムとなっている。
 近時のIT(情報技術)化の進展、携帯電話等の通信・データ処理手段のますますの進化は、そのような方向をさらに推し進めることとなっている。[東海幹夫]
『小野保之著『会計情報システム論』(2000・同文舘出版) ▽松田潤治著『経営管理のための会計情報システム』(2002・中央経済社) ▽橋本義一・安藤明之・佐藤充紀著『テキスト 会計情報システム』(2006・創成社)』

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