取引内容等を記録する書類。企業などの組織体において生ずる金銭や物品の出納や取引の事実を、一定の様式に統一して記載してその記録を保存し、これを関係者に伝達するための紙片(用紙)をいう。通常は、この書類には記載者や管理者の押印がなされるから、該当する事実等の責任を明らかにするためにも利用される。金銭の出納に関しては入金伝票と出金伝票、商品等の物品の保管には入庫伝票と出庫伝票、売買取引については売上伝票と仕入伝票が普及している。その他、商社、メーカー、銀行などの特性によって固有の伝票が活用されている。
複式簿記との関係における伝票は、取引事実を記録する最初の証憑(しょうひょう)として重要な役割を果たしている。とくに、帳簿がコンピュータシステムに取り込まれる現代会計組織においては、コンピュータ入力の基礎資料として使用されることが一般的である。また、取引記録の複雑な整理を必要としない企業においては、複写式の伝票を利用して伝票そのものを帳簿として代用する伝票式簿記(会計)の方式もある。
[東海幹夫]
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
…企業(経済主体)の経済活動(取引)を主として貨幣金額によって継続的,秩序的に記録する手段(紙葉,カード,テープなど)をいう。帳簿は継続企業(ゴーイング・コンサーン)を前提とするかぎり継続性を要件とするから,備忘または伝達のために記録された紙片は帳簿となりえないが,それらが伝票として継続的に使用され,しかも秩序正しく整理されていれば,帳簿となりうる。企業と取引相手方との関係で作成され,手交される証憑(しようひよう)書類(注文書,送状,納品書,領収書など)およびその複写は,本来帳簿記録の基礎となるものであり,法的証拠力が最も高いものであるが,これらの証憑書類も,記帳手続の合理化という観点から秩序整然と継続的にファイルしていけば,帳簿に流用することができる。…
…伝票が日本に導入されたのは,明治初期に官庁と国立銀行の簿記制度で取引の記録用具と定められてからである。以後実業界に普及したのは貸借仕訳法の伝票ではなく,イギリス人銀行家シャンドAllan Shand独創の現金仕訳法の伝票である。…
※「伝票」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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