日本大百科全書(ニッポニカ) 「会計管理者」の意味・わかりやすい解説
会計管理者
かいけいかんりしゃ
都道府県および市町村といった普通地方公共団体の会計事務を行う補助機関のこと。各普通地方公共団体に1名を置くものとされている(地方自治法168条1項)。2006年(平成18)の地方自治法の改正において、地方の自主性、自律性を拡大する措置の一つとして、出納長および収入役が廃止され、これにかわって置かれることとなった。これは、普通地方公共団体の長を補佐する体制を副知事、副市町村長に一元化し、トップマネジメント機能を強化するためである。
会計管理者は、普通地方公共団体の長の補助機関である職員のうちから、長が任命する(同法168条2項)。長、副知事、副市町村長または監査委員と夫婦、兄弟姉妹関係にあるものは、会計管理者になることはできない。
法律またはこれに基づく政令に特別の定めがある場合を除いて、現金・有価証券・物品の出納保管、小切手の振り出し、現金財産の記録管理、支出負担行為の確認など、当該普通地方公共団体の会計事務をつかさどる(同法170条1項)。これらは普通地方公共団体の長から独立した権限として、地方自治法により付与されたものである。
会計管理者に事故があった場合には、会計事務の執行を継続させるため、職員のうちから代理を置くことができる(同法170条2項)。また、会計事務の適正な執行を確保するために、事務補助として出納員その他の会計職員を置く(同法171条)。
[山田健吾]