改訂新版 世界大百科事典 「低カロリー食品」の意味・わかりやすい解説
低カロリー食品 (ていカロリーしょくひん)
low calorie food
原料の配合をくふうし,通常の製品にくらべ,カロリー(熱量)を低くした加工食品。近年はダイエット・フードとも称している。もともとは糖尿病や肥満症などの治療を必要とする人々のためにつくられた。これらの病気の治療には,カロリーのみを減らし,タンパク質やミネラル,ビタミンの摂取は十分にしなければならないからである。しかし最近,先進国においては病気でなくても美容のために低カロリー食品をとる人が増え,一種の健康食品として市場を形成している。製造にあたっては,本来の製品と同じ風味をもち,しかも満腹感を与えなければならない。そこで糖質の含量を減ずることが一般的である。とくに甘味料として砂糖などが使われているときは,糖アルコールや合成甘味料で代替する。穀類製品においては,主要成分が糖質であるので製造が難しいが,デンプンの代りに,ガラクタンgalactanなどの非消化性多糖類を添加する。製品にはパン,うどん,スパゲッティなどの主食類,ビスケット,クッキー,アイスクリーム,ジャムなどの副食類,ミルク,チーズなどの乳製品がある。日本においては,同種の食品のカロリーの50%以下,穀類製品においては75%以下のものを低カロリー食品といっている。
執筆者:田島 真
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報