佐伯氏(読み)さえきうじ

世界大百科事典 第2版の解説

さえきうじ【佐伯氏】

(1)日本古代の族。大伴氏とともに大和政権の伴造(とものみやつこ)として,代々武力をもって朝廷に奉仕した。中央の佐伯氏(佐伯連)は,所伝では大伴氏と同祖で,5世紀後半の雄略朝ころの大連大伴室屋(むろや)の後裔とされ,684年(天武13)には宿禰姓を賜った。元来佐伯氏は,内国に移配された蝦夷で宮廷警衛の任にあたる佐伯部を管理する氏であったとみられ,中央では佐伯連が,地方では諸国の国造の一族である佐伯直(あたえ)がこれを管理した。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

佐伯氏
さえきうじ

(1)大連大伴室屋(おおむらじおおとものむろや)の後裔(こうえい)といわれる神別氏族。初め連(むらじ)姓、684年(天武天皇13)大伴氏とともに宿禰(すくね)姓を賜う。佐伯部を率いる軍事的氏族で、大伴氏と並んで宮門の警護にあたる。しかし、奈良末に今毛人(いまえみし)が参議になったほかは議政官に上る者もなく、中流貴族の域を出なかった。
(2)播磨(はりま)(兵庫県)・讃岐(さぬき)(香川県)の地方豪族で、ともに景行(けいこう)天皇の後裔と伝える。本姓は直(あたい)。僧空海(くうかい)は讃岐国多度(たど)郡領家(りょうけ)たる佐伯直氏の出身である。
(3)そのほか、河内(かわち)(大阪府)、阿波(あわ)(徳島県)、安芸(あき)(広島県)、越中(えっちゅう)(富山県)、丹波(たんば)(京都府・兵庫県)などにも佐伯氏があった。
 前記のうち(2)(3)はいずれも各地の佐伯部を統率する地方的伴造(とものみやつこ)で、これらがいずれもさらに中央の上級伴造佐伯連氏に従属していた。なお佐伯部は服属した蝦夷(えみし)をもって組織された。[黛 弘道]

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世界大百科事典内の佐伯氏の言及

【安芸国】より

…頼宗からの所領没収は,1203年(建仁3)山方為忠の壬生荘地頭職を取り上げ小代行平に与えた事例とともに,幕府の西国武士抑圧策の一環である。承久の乱(1221)にあたり,宗孝親をはじめ厳島神主佐伯氏,葉山氏などは京方に味方したが,乱後孝親の所領の多くが守護に還補された武田氏に引き継がれた。ほかに新補地頭として確かめうるものに,大朝本荘の吉川氏,三入荘の熊谷氏,安芸町村の平賀氏,都宇竹原荘の小早川氏,八木村の香川氏,温科村の金子氏などがある。…

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