改訂新版 世界大百科事典 「佐渡路」の意味・わかりやすい解説
佐渡路 (さどじ)
江戸と佐渡を結ぶ,江戸時代の主要脇街道の一つ。幕府は佐渡金山を重視し,ここを直轄地として佐渡奉行を置き開発を進めた。その産出量はとくに江戸初期に多く,幕府の重要な財源であったので,大量の金銀輸送,幕府役人等の通行のため重視される街道となった。佐渡路には中山道追分宿から分かれて出雲崎(いずもざき)に出る北国街道,中山道高崎宿から分かれて寺泊(てらどまり)に出る三国街道,奥州道中白河宿で分かれて新潟に出る会津街道の3道があって,出雲崎,寺泊,新潟が渡海場に当てられていた。佐渡御金荷は小木港から出雲崎に海上輸送されたあと北国街道を陸送されたので,北国街道は江戸初期に合宿継や寄馬制など特別な継立体制が確立した。正徳期(1711-16)に佐渡奉行が2人制,隔年勤務となると,往路は三国街道,帰路は北国街道通行が原則とされた。安永期(1772-81)からの無宿人輸送は3道輪番で行われた。佐渡路3道は越後の主要街道として発展をみた。
執筆者:桑原 孝
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報