佐野藤右衛門(読み)サノ トウエモン

20世紀日本人名事典 「佐野藤右衛門」の解説

佐野 藤右衛門
サノ トウエモン

昭和期の造園家



没年
昭和56(1981)年5月19日

出生地
京都府京都市

学歴〔年〕
商業学校卒

主な受賞名〔年〕
フィレンツェ市名誉市民

経歴
家業の造園業を継いで桜の研究に打ち込み、昭和5年山桜の新種発見、故牧野富太郎博士により“佐野ザクラ”と名付けられた。京都・円山公園枝垂れ桜を復活させ、大阪・造幣局の桜の保存育成に尽くしたほか、43年にはイタリア・フィレンツェ市に桜を植樹するなど“サクラ博士”と親しまれた。著書に「桜図鑑」「桜花抄」「桜守二代記」などがある。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「佐野藤右衛門」の解説

佐野藤右衛門(16代) さの-とうえもん

1928- 昭和後期-平成時代の造園家。
昭和3年4月1日生まれ。15代藤右衛門の長男。祖父以来3代にわたって桜の保存,育成につとめる。一方,京都御所などの庭園修造・管理にあたる。昭和34年イサム=ノグチ共同で手がけたパリユネスコ本部石庭を手はじめに,世界各地で日本庭園をつくる。京都出身。京都農林学校(現京都府立大)卒。著作に「さくら大観」「京の桜」「櫻よ―「花見作法」から「木のこころ」まで」など。

佐野藤右衛門(15代) さの-とうえもん

1900-1981 昭和時代の造園家。
明治33年10月7日生まれ。14代藤右衛門の長男。父につづいて桜の収集,研究に打ちこむ。昭和5年ヤマザクラの新種を発見,牧野富太郎により「佐野桜」と名づけられた。京都円山公園の枝垂れ桜をそだてたほか,優良品種の保存,育成につくした。47年吉川英治文化賞。昭和56年5月19日死去。80歳。京都出身。第二商業卒。著作に「桜花抄」「桜守二代記」など。

佐野藤右衛門(14代) さの-とうえもん

1874-1934 明治-昭和時代前期の造園家。
明治7年生まれ。家は代々京都仁和寺(にんなじ)出入り植木職。京都府立植物園主任技師の寺崎良策の教示西本願寺大谷光瑞の応援をえて,日本全国をめぐり桜の収集にあたる。根室の千島桜,金沢兼六園の菊桜・福桜など希少種の保存,育成につとめた。昭和9年8月31日死去。61歳。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android