デジタル大辞泉
「嵩山」の意味・読み・例文・類語
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すう‐ざん【嵩山】
- [ 1 ] 〘 名詞 〙 高い山。崇山。
- [ 2 ]
- [ 一 ] 中国、河南省北西部、洛陽の東にある名山。中国五嶽の一つ。山に三尖峰があり、中を峻極、東を太宝、西を少室とよぶ。中嶽廟、法王寺、間居寺(もと嵩嶽寺)、少林寺などがある。中嶽。嵩丘(すうきゅう)。
- [ 二 ] 京都の東山。
- [初出の実例]「嵩山西畔洛城陽、有レ寺有レ楼有二竹房一」(出典:本朝無題詩(1162‐64頃)一〇・古寺言志〈藤原忠通〉)
- [ 三 ] 鎌倉末期~南北朝時代の臨済宗の僧。嵩山は号。名は居中。二度元に渡り、のち京都の南禅寺、鎌倉の円覚寺などに住した。当時の五山文学の代表的人物で、禅師号を辞退したという。著に「嵩山集」二巻がある。建治三~貞和元年(一二七七‐一三四五)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
嵩山
だけさん
大島郡のほぼ中央に位置し、橘町・久賀町にまたがる標高六一八・五メートルの山。円錐式火山で大島富士の別名がある。文珠山・嘉納山・源明山の連山を展望することができ、久賀町の山田・久保河内、橘町の日前より登山道が通っている。
「地下上申」には「久賀村との境は、右三ツ石之頭より峰尾伝嶽山之頭、夫より天狗石之頭迄尾続峰尾切ニ行、此所迄久賀村との境なり」とあり、嵩山の山頂が安下庄(現橘町)との村境であった。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
嵩山(中国)
すうざん / ソンシャン
中国、河南(かなん/ホーナン)省北西部、登封(とうほう/トンフォン)市北部にある山。広義の秦嶺(しんれい/チンリン)山系の東端にあたる。中国五岳(ごがく)の一つ。中原(ちゅうげん)(黄河中、下流の平原地帯)にあるため中岳ともいう。多数の山峰からなり、少林河を挟み、東と西の群峰に分けられる。東峰群は太室山とよび、最高峰は標高1440メートル、中寄りの主峰峻極(しゅんきょく)峰は1359メートルで、南麓(なんろく)には中岳廟(びょう)があり、嵩山の山神を祀(まつ)る。西の嵩陽書院は古代の四大書院の一つとされる。約10キロメートル離れた西峰群は少室山とよび、主峰は玉寨(ぎょくさい)山で標高1512メートル、嵩山の最高峰である。五乳峰の山麓には少林寺がある。そのほか、万歳峰には、大禹(たいう)が妻涂山女と協力して洪水を防いだという轘轅(かんえん)関などがある。
[駒井正一]
嵩山(愛知県)
すせ
愛知県豊橋市(とよはしし)東部の地区。旧嵩山村。姫(ひめ)街道の旧宿で本坂(ほんさか)峠西麓(ろく)にある。国道362号が通じる。鍾乳洞(しょうにゅうどう)の蛇穴(じゃあな)は縄文時代の遺跡で国指定史跡。正宗(しょうじゅ)寺の長沢芦雪(ろせつ)の襖絵(ふすまえ)は国指定重要文化財。
[編集部]
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嵩山 (すうざん)
Sōng shān
中国,河南省北部,登封県の北方15kmにある山。古く〈禹貢〉に外方山として見え,《史記》に中岳と記され,五岳の一つに数えられている。別名嵩高山,太室山。高峰は三つあり,東を太室山(1440m),中央を峻極山,西を少室山(1405m)という。俗に太室山24峰,少室山36峰といわれる。神聖な山としてまつられ,とくに唐の則天武后は〈神岳〉と称して尊崇し,中岳廟,法王寺,嵩岳寺など多くの寺廟があるが,少室山にある少林寺は有名。登封より偃師(えんし)にいたる公路が嵩山の西で轘轅関(かんえんかん)を越えて通じている。
執筆者:林 和生
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世界大百科事典(旧版)内の嵩山の言及
【河南[省]】より
…黄河南部の山地は秦嶺山脈の余波が東方に延びたもので,南西から北東に向かう崤山(こうざん)・熊耳(ゆうじ)・外方(がいほう)の諸山脈,北西から南東に向かう伏牛山脈などからなり,平均標高は1000m以上。このうち崤山山脈は黄河南岸の陝県と澠池(べんち)県との間で三門峡を越え,対岸の中条山脈と接し,熊耳山脈の東部では1440mの嵩山(すうざん)が高くそびえ立つ。伏牛,外方の両山脈は黄河と淮河(わいが)との分水嶺をなし,伏牛山脈の南東部はさらに淮河と唐河・白河とを隔てている。…
※「嵩山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」