除斥期間(読み)じょせききかん

  • じょせききかん ヂョセキ‥
  • じょせききかん〔ヂヨセキ〕

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

一定期間権利行使しないことにより,その権利を失うことになる期間をいう。たとえば,売買された物に隠れた欠陥があったときは,買主はその欠陥発生のときから起算して1年以内は解除権などを行使できる (売主瑕疵担保責任) が,この1年内が除斥期間であり,それをすぎると解除権は消滅したことになる (民法 570,566) 。除斥期間は時の経過によって権利が消滅するという点で消滅時効と似ているが,消滅時効と異なり,時効の中断停止が認められず,また時効の援用も必要としない。除斥期間は解除権などの形成権について問題になることが多い。

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

一定の権利について、行使しなければその権利が消滅する期間のこと。法律明文化されてはいないが、民法724条は、不法行為に対する損害賠償請求権は20年を経過すると消滅すると定めており、最高裁は1989年、これが除斥期間を意味すると解釈した。当事者が不法行為を受けたという認識がなくても進み、時効のように中断・停止することはない。

(2020-02-02 朝日新聞 朝刊 1社会)

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百科事典マイペディアの解説

(1)ある種の権利について法律の予定する存続期間。その期間が経過すればこの権利は消滅(除斥)する。民法に一般的な規定はないが,理論上認められている。消滅時効に類似するが,中断がなく,当事者が援用しなくても当然に権利が消滅するなどの点が異なる。占有訴権,買主の担保責任追及権などの規定はその。(2)財産清算に際し,期間を定めて債権の申出を促し,申し出ない債権者を除外する場合に,この期間をいう。

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世界大百科事典 第2版の解説

権利の行使を限定する期間で,予定期間ともよばれる。時効と異なる点は,中断によって期間が伸長されることがない点と,当事者が援用しなくても裁判所が職権で認定しなければならない点である。したがって,時効期間ではなく除斥期間が定められるのは,〈権利ノ特ニ速ニ行使サレルコトヲ欲〉する場合である(民法起草者)。両者区別は,民法の条文に〈時効ニ因リテ〉とある場合には時効期間,そうでない場合は除斥期間であると説明されている(民法起草者)が,これに従うと,個々の場合に不当な結果をもたらすことがある。

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大辞林 第三版の解説

特定の権利について法律が認める存続期間。その期間の経過により権利は消滅する。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

権利関係を速やかに確定するために設けられた権利の存続期間。条文のなかにこの概念は出てこないが、判例・学説上認められている。たとえば、売り主の担保責任のところで買い主の解除権や代金減額請求権などにつけられた権利の存続期間(民法564条・566条)とか、盗品・遺失物の回復請求の期間制限(同法193条)など。時効と類似するが、中断ということがない固定期間であること、および、援用がなくても裁判所はこの期間が経過すれば、権利が消滅したものとして裁判しなければならない点で、それとは異なる。除斥期間の定められた権利は、その期間内に裁判外の行使があれば権利が保全される、とするのが通説・判例であるが、その期間内に訴えを提起しなければならない、とする有力説もある。[淡路剛久]

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 ある種の権利について法律が定めた一定の存続期間。期間の経過によってその権利が消滅する。占有訴権、買主の担保責任追求権、婚姻・縁組の取消権、上訴権などについて定められる。

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