京都府西部を南東流する川。丹波(たんば)高地に発する大堰川(おおいがわ)の中流部にあたり、亀岡(かめおか)盆地南東端から京都盆地西端の嵐山(あらしやま)までの約16キロメートルをいう。嵐山渡月橋(とげつきょう)から下流は桂川(かつらがわ)とよばれる。古生層の山地を曲流しながら峡谷をなして流れるので保津峡ともいい、1606年(慶長11)角倉了以(すみのくらりょうい)は峡谷の河床を改修し、従来丹波の木材運搬は筏(いかだ)流しによっていたのを舟で運ぶようにした。現在、亀岡市保津から嵐山まで約2時間の川下りが内外の遊覧客を集めている。峡谷一帯はサクラ、ツツジ、カエデなどが多く、四季を通じて景観に恵まれている。なお、保津川に沿ってJR山陰本線が通じている。
[織田武雄]
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京都府を流れる大堰(おおい)川のうち,亀岡盆地から京都市嵐山にかけての流域をいう。急流奇岩の保津峡で有名なほか,丹波地方から木材などを京都に運ぶルートとして古くから舟運が発達し,近世には角倉了以(すみのくらりょうい)の河川改修によっていっそう繁栄した。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
出典 日外アソシエーツ「事典・日本の観光資源」事典・日本の観光資源について 情報
…延長約22km。亀岡盆地東端から嵐山までの上流部分は保津川(保津峡)と呼ばれ,老ノ坂山地を貫流して峡谷をつくり,途中で清滝川を合し,嵐山で京都盆地に入る。次いで有栖川,御室(おむろ)川,鴨川,小畑川を合流してはんらん原をつくり,天王山と男山との間の京都・大阪府界において宇治川,木津川と合して淀川となる。…
…亀岡市保津町から京都市右京区の嵐山までの約12kmの間を,落差約60mくらいの急流をなして流下し,深さ200mほどの峡谷を刻みこんでいる。この区間を保津川と呼び,その下流は桂川と名をかえる。保津峡は絶壁や露岩の間を早瀬と深淵をなして流れる水流の美しさと,桜,新緑,紅葉,雪景色と四季の美をあわせもち,ハイキングコースや嵐山高雄パークウェーが整備され,京都近郊における著名な観光地となっている。…
※「保津川」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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