倉役(読み)くらやく

百科事典マイペディアの解説

倉役【くらやく】

室町時代,土倉(どそう)に賦課された課税。土倉役・土倉懸銭(かけせん)とも。1393年以来制度化された。同時に制度化された屋役とともに室町幕府の重要な財源。徳政一揆(いっき)の頻発(ひんぱつ)や徳政令発布で徴収は不安定なものとなった。

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世界大百科事典 第2版の解説

くらやく【倉役】

〈蔵役〉〈土倉役〉〈土倉懸銭〉などともいう。中世,朝廷,幕府,寺社,大名,自治都市などが,金融業者である土倉(どそう)に課した税。酒屋役と併せ徴された場合が多く,臨時課税と恒常的な営業税とがある。臨時課税の土倉役として明らかであるのは,1315年(正和4)ころ,日吉(ひえ)社神輿造替の費用として京都の土倉に賦課したもので,山門支配下の土倉280軒に1宇別750疋,それ以外の55軒に1宇別1000疋を課している。

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大辞林 第三版の解説

くらやく【倉役】

室町幕府が土倉どそうに課した税。幕府の重要財源の一。土倉役。土倉懸銭。 → 酒屋役

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

倉役
くらやく

中世、高利貸金融業者である土倉(どそう)に賦課された課役。土倉役とも。鎌倉後期、近江(おうみ)(現、滋賀県)日吉社神輿造替(ひえしゃみこしぞうたい)の費用として「土倉課役(かやく)」が課されたのが早い例で、最も有名で恒常的なものとして知られるのが、室町幕府によって1393年(明徳4)に設定された「洛中辺土散在土倉并酒屋役(らくちゅうへんどさんざいどそうならびにさかややく)」である。その徴収には、公方御倉(くぼうおくら)で構成される納銭方(のうせんかた)が質物の員数に応じてあたった。その他、公家(くげ)領や戦国大名領、さらに寺社境内においても同様の役の存在が知られる。[河内将芳]
『下坂守著『中世寺院社会の研究』(2001・思文閣出版)』

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精選版 日本国語大辞典の解説

くら‐やく【倉役】

〘名〙 室町時代、幕府または戦国大名が京都市中または領内の土倉、質屋に課した税。土倉役。
※塵芥集(1536)四三条「くらやくをせすして、ぬすみものしちにとるともから、ぬす人とうるいの由」

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