(読み)ケン

デジタル大辞泉 「倹」の意味・読み・例文・類語

けん【倹〔儉〕】[漢字項目]

常用漢字] [音]ケン(漢) [訓]つつましい
引き締める。無駄を省く。つつましい。「倹素倹約勤倹節倹

けん【倹】

むだやぜいたくをしないこと。
「一身一家の生計を密にして外面辺幅を張らざるものを―と云う」〈福沢福翁百話

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「倹」の意味・読み・例文・類語

けん【倹】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 ) むだやぜいたくをしないようにして、出費をきりつめること。また、そのさま。しまつ。倹約。
    1. [初出の実例]「文集〈略〉同四巻杏為梁には、倹なるは存し、奢れるは失する事今目に在りとも書かれたり」(出典:十訓抄(1252)二)
    2. [その他の文献]〔礼記‐檀弓下〕

つまし【倹】

  1. 〘 形容詞シク活用 〙つましい(倹)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「倹」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 10画

(旧字)儉
人名用漢字 15画

[字音] ケン
[字訓] つづまやか

[説文解字]

[字形] 形声
旧字は儉に作り、僉(せん)声。僉に檢(検)・劍(剣)(けん)の声がある。春秋期の呉越の剣には「僉」と銘する。〔説文八上に「なり」とあり、倹約をいう。僉は二人並んで舞い祈る形で、恭倹の意がある。〔礼記楽記〕に「恭儉にして禮を好む」とみえる。

[訓義]
1. つづまやか、つつしむ、ひきしめる、ひかえる。
2. すくない、とぼしい、そまつな。
3. 険・と通じ、けわしい、あやうい、わるい。

[古辞書の訓]
〔字鏡集〕儉 ナホシ・タダス・イマシム・カナフ・セハシ・ヲル・ツヅマヤカナリ・ヲナシ・ツヅマル・ホコル・チヒサシ・ミサヲ・セメツツシム・チキル・スクナシ・ツツム・ハゲシ

[熟語]
倹易倹餓倹恪倹簡・倹居倹勤倹苦・倹言倹尅・倹歳・倹奢倹嗇・倹省倹静・倹節・倹素倹葬・倹徳・倹年・倹薄・倹腹倹朴・倹約・倹用倹吝倹陋
[下接語]
簡倹・倹・躬倹・恭倹・勤倹・慈倹・質倹・奢倹・清倹・節倹・卑倹・約倹・廉倹

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

世界の電気自動車市場

米テスラと低価格EVでシェアを広げる中国大手、比亜迪(BYD)が激しいトップ争いを繰り広げている。英調査会社グローバルデータによると、2023年の世界販売台数は約978万7千台。ガソリン車などを含む...

世界の電気自動車市場の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android