(読み)ショウ

デジタル大辞泉 「償」の意味・読み・例文・類語

しょう【償】[漢字項目]

常用漢字] [音]ショウ(シャウ)(漢) [訓]つぐなう
損失に見合うものを返す。つぐなう。「償還償却償金代償賠償弁償補償報償無償有償

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精選版 日本国語大辞典 「償」の意味・読み・例文・類語

つぐのいつぐのひ【償】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「つぐのう(償)」の連用形名詞化。古くは「つくのい」 ) =つぐない(償)
    1. [初出の実例]「傭賃(ちからツクノヒ)して年価を受け〈国会図書館本訓釈 傭賃 知加良豆玖乃比春〉」(出典日本霊異記(810‐824)下)
    2. 「亭主の平あやまりにあやまるをせめてもの償(ツグノヒ)に」(出典:思出の記(1900‐01)〈徳富蘆花〉四)

つぐないつぐなひ【償】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「つぐなう(償)」の連用形の名詞化 ) つぐなうこと。また、そのための金銭物品行為など。つぐのい。〔和英語林集成初版)(1867)〕
    1. [初出の実例]「其上僕を蛇蝎の様に悪ませさへすれば幾分か償(ツグナヒ)にはなる」(出典:それから(1909)〈夏目漱石一六)

しょうシャウ【償】

  1. 〘 名詞 〙 つぐない。賠償。
    1. [初出の実例]「世俗の事をせず、無為を楽てゐるに、国君と同食せんなど、世俗の上の償のあらんと云は」(出典:清原国賢書写本荘子抄(1530)八)
    2. [その他の文献]〔戦国策‐秦策・恵文君〕

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普及版 字通 「償」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 17画

[字音] ショウ(シャウ)
[字訓] つぐなう

[説文解字]
[金文]

[字形] 形声
声符は賞(しよう)。賞賜の賞はもとに作り、(尚)(しよう)声の賞とはもと別の字であった。賞は償贖(しようしよく)・賠償の意。〔説文〕八上に「すなり」とあって、償還することをいう。反映刑的に体刑を加えることを報といい、財産刑的に賠償を行うことを贖といい、損害を補塡することを償という。

[訓義]
1. つぐなう、つぐない、あがなう。
2. かえす、むくいる。

[古辞書の訓]
名義抄〕償 ツグノフ・アカフ・コタフ・ツヒユ・タクラフ・モヨホル・タマフ・ミチヒク・ノフ・ムクユ・アラハル・アツ・カヘル

[語系]
償zjiang、賞・sjiangは声義近く、賞は本来は償いとして与えられるものであった。

[熟語]
償怨償款・償還償願・償金償債償責・償補・償労
[下接語]
求償・取償・代償・賠償・返償・弁償・補償・報償・無償・有償

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