六訂版 家庭医学大全科 「先天性真珠腫」の解説
先天性真珠腫
せんてんせいしんじゅしゅ
Congenital cholesteatoma
(耳の病気)
どんな病気か
頭部のさまざまな部位に発生しますが、ほとんどは耳の骨の近くに発生します。
症状と受診のポイント
症状と病院受診のきっかけから2つに分類されています。
●クローズ型
乳幼児期に発見される
耳あかを取る時や3歳児健診の時に偶然発見されることが多く、それまで耳の症状はほとんどありません。まれに難聴、または急性中耳炎による耳の痛みで耳鼻咽喉科を受診して発見される場合もあります。
●オープン型
これに対し、学童期から成人になって発見されることが多い
鼓膜を見ても、真珠腫ははっきり見えません。鼓膜は正常に見えることが多く、
検査と診断
鼓膜をよく観察することが重要で、正常鼓膜の奥に白色塊を確認することで診断できます。しかし、中耳にあっても膜型のもの、耳小骨の裏面や乳突洞内など隠れた部位に発生したものは
聴力検査は、真珠腫による伝音難聴、
先天性真珠種に似ている病気は、良性腫瘍(
治療の方法
後天性真珠腫と比べると、通常は病気の進行は遅いのですが、放置すれば徐々に大きくなって周囲に進展していきます。徐々に増大して骨を破壊するので、早期に手術を行って完全に摘出します。さらに
時期を逃さず摘出すれば、予後は良好です。手術方法は慢性(化膿性)中耳炎、真珠腫性中耳炎を参照してください。
池園 哲郎
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報